2014 Fiscal Year Annual Research Report
脳腫瘍新生血管を治療標的としたペプチドワクチン療法確立のための効果評価法の開発
Project/Area Number |
24592172
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
植田 良 慶應義塾大学, 医学部, 共同研究員 (30317143)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 悪性神経膠腫 / がんペプチドワクチン / 抗腫瘍免疫 / 腫瘍血管新生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、申請者らが実施している悪性脳腫瘍新生血管を治療標的としたペプチドワクチン療法臨床試験被験者検体を用いて、①血管新生抑制療法に対する反応性および抵抗性を示す腫瘍血管新生・浸潤性関連因子バイオマーカーや、②抗腫瘍免疫ネットワークにおける正と負の調節細胞や分子について解析し、同治療の臨床的有効性との関連性を評価した。 平成26年度は、(1) 被験者検体を用いた脳腫瘍血管新生・浸潤性関連因子、および免疫応答関連細胞・因子についての解析の実施と、(2) 解析した脳腫瘍血管新生・浸潤性関連因子、および免疫応答関連細胞・因子の動態と、臨床的有効性との関連性の評価を遂行した。 (1)脳腫瘍血管新生性関連因子であり、抗腫瘍免疫応答抑制性因子であるVEGFやVEGFR(sVEGFR1/2)の被験者血清レベルを解析した。また、同検体を用いてVEGFR発現細胞反応性の細胞傷害性T細胞(CTL)を検出し、VEGFRワクチンが、被験者体内にその特異的免疫を高頻度に(6例中6例)誘導しうることを明らかにした。 (2)本ワクチン療法はこれまでに8例の再発悪性神経膠腫患者に対し施行され、重篤な有害事象なく2例の不変(stable disease: SD)が得られ、新規病変の発生を抑制する可能性が示唆されている。この2患者体内では、VEGFR発現細胞反応性CTLが高頻度に検出され、VEGFRペプチドに対する免疫応答が臨床的有効性を予測する指標となる可能性が示された。さらに、血清中のsVEGFR2値はVEGFRペプチドワクチン後に低下することが判明し、今後臨床的有効性との関連性を検討することで治療効果評価や治療反応性予測に応用しうると考えられた。
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Research Products
(19 results)