2014 Fiscal Year Annual Research Report
椎間板修復治療の臨床応用-生物学的修復治療の開発-
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24592193
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
明田 浩司 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (20422826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 啓一 三重大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70252343)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 椎間板変性 / 椎間板性疼痛 / 成長因子 / 血小板 |
Outline of Annual Research Achievements |
椎間板変性は基質代謝の不均衡が原因と考えられており、炎症性サイトカインの関与が水分含有量の低下、線維化を来たし組織断裂が生じる。これらの椎間板内微小環境、構造の変化と疼痛との関連性が指摘されている。活性化した血小板は多種の成長因子を分泌し、組織修復に寄与する。我々は血小板を高濃度に含む多血小板血漿(PRP)から分離された成長因子が椎間板細胞の基質代謝を促進させ、椎間板変性動物モデルの椎間板高を回復させることを報告してきた。これらの基礎研究をもとに、現在、PRPを用いた椎間板内治療に対する臨床試験を行っている。 本年度は、これまで行ってきた14症例の効果の再検討を行い、疼痛改善の機序解明を目的に多血小板血漿内に含まれる蛋白質の解析を行ったので報告する。PRP内の成長因子 (PDGF-BB)は自己血清と比較し、2.1倍高い濃度であった。一方、抗炎症作用を有する可溶性TNF-α受容体(1型、2型)の濃度はPRP内にそれぞれ、平均3.1 ng/ml(1型)、平均8.3 ng/ml(2型)含まれており、自己血清と同程度の濃度が確認された。PRP含有タンパク質の同定に関しては、iTRAQタンパク質発現・相対定量解析 (Filgen社) を行った。PRP上清および自己血清の2サンプルをAB SCIEX Triple TOF 5600システムにて解析を行った。両サンプル共に944タンパクが同定された。抗炎症性サイトカインおよび抗炎症性蛋白に関しては、PRPおよび自己血清内に同程度含まれていた。 本臨床試験で使用したPRP内には、成長因子および抗炎症性サイトカインが含まれており、治療早期からの疼痛緩和の機序に関与する可能性が考えられた。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Extradural cryptococcoma at the sacral spine without bone involvement in an immunocompetent patient.2014
Author(s)
Asanuma Y, Fujimoto H, Nakabayashi H, Akeda K, Asanuma K, Tanaka M, Nagakura T, Miura Y, Iino T, Ogawa K, Kasai Y, Sudo A.
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Journal Title
J Orthop
Volume: 19(6)
Pages: 1040-1045
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] 脊椎椎体骨折の追跡コホート調査 既存骨骨折が新規骨折の発生様式に与える影響2014
Author(s)
明田 浩司, 加藤 俊宏, 松峯 昭彦, 長谷川 正裕, 若林 弘樹, 辻井 雅也, 淺沼 邦洋, 松原 孝夫, 西村 明展, 中村 知樹, 村田 耕一郎, 今西 隆夫, 森本 亮, 榊原 紀彦, 笠井 裕一, 須藤 啓広
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Journal Title
Source:Journal of Spine Research
Volume: 5(2)
Pages: 145-150
Peer Reviewed
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