2014 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄損傷後に新生する神経回路の解明とp38 MAPK inhibitorの効果
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24592200
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
森野 忠夫 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (20380248)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾形 直則 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30291503)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | spinel cord injury / p38 MAPK / microglia / apoptosis |
Outline of Annual Research Achievements |
Th11レベルの脊髄損傷ラット(MASCIS impactor, 10g x 25mm)を用いて、p38 mitogen activated protein kinase (MAPK) inhibitorを損傷直後に硬膜内投与することによって、後肢運動機能が回復するかを行動学的、組織学的に検討した。脊損直後、24時間後、48時間後、72時間後にL4/5からp38 MAPK inhibitor (SB203580) を硬膜内投与した(それぞれSB0, SB24, SB48, SB72群)。negative controlとしてSB202474(vehicle群)を投与した。損傷後3日,1,2,3,4,5,6週間目で後肢運動機能をBBB scoreで評価した。損傷後6週目の時点でvehicle群(9.7±0.6: mean±SEM; n=6)に比べてSB0(14.4±0.5; p=0.0002), SB24(13.6±0.4; p=0.0025), SB48(12.3±2.0; p=0.0309)群が有意に高く、行動学的改善を認めた。損傷部脊髄内microgliaの数は、SB0, 24, 48, 72群でvehicle群に比べて有意に減少していた。apoptosis細胞の数もSB0, 24, 48群で有意に減少していおり、いずれも早期に投与するほど抑制されていた。髄鞘染色では、vehicle群に比べてSB0, 24, 48群では残存する髄鞘の量が多い傾向にあった。本研究の結果より、p38 MAPK inhibitorは脊損後の2次傷害(炎症・apoptosis)を抑制することによって、軸索の損傷を軽減し、後肢運動機能を改善したと考えられ、損傷後48時間後の投与まで効果があると考えられた。p38 MAPK inhibitorは脊損後の治療薬として有効である可能性が示唆された。
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Research Products
(4 results)