2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24592202
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
中山 由紀 熊本大学, 自然科学研究科, 准教授 (30332381)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 骨格筋 / 筋再生 / 分泌性タンパク質 |
Research Abstract |
機能未知である新規の分子RAMPとケモカインの一つであるCXCL14をmdxマウス筋芽細胞株より同定した。いずれの分子も分泌タンパク質であり、マウス筋再生時に発現が誘導されるが、筋再生過程にどのように関与するのか明らかにされていない。本研究課題では、(1)細胞培養系を用いたRAMPの機能解析、骨格筋特異的RAMP遺伝子を欠損するマウスを用いた筋再生過程におけるRAMPの機能解明を行う。また、(2)筋分化促進因子と考えられるCXCL14 がどのように筋分化を促進するのかを細胞培養系およびマウス個体を用いて明らかにすることを目的とする。本研究計画により、新たな骨格筋再生メカニズムの解明につながると考えられる。 本年度はCXCL14については、筋芽細胞株を用いた実験を行った。CXCL14受容体2種のうちどちらを介してCXCL14が筋分化に関与するのか、その分子メカニズムの一部を明らかにすることができた。また、骨格筋再生時におけるCXCL14の機能を明らかにするため、マウスへ投与するためのリコンビナントCXCL14を行った。RAMPについては、骨格筋特異的RAMP遺伝子ノックアウトマウス作成のための準備が整った。また、RAMPと結合する分子の同定をさらに進め、候補分子一つを同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成24年度中に骨格筋特異的RAMP遺伝子欠損マウスの作成を行う予定だったが、作成に時間がかかり、マウスの導入に遅れが出た。平成25年度中には作成が完了し、表現型の解析が行える予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
<RAMP> リコンビナントRAMPおよびRAMP結合分子を用いたpull downアッセイ、および、RAMP遺伝子コンディショナルノックアウトマウスの再生筋におけるRAMP結合分子の発現の検討により、RAMPがRAMP結合分子の安定化に関与しないか検討する。また、もう一つの候補分子についてRAMPと結合するのか、培養細胞および再生筋を用いたIP実験により検討する。これらの分子がRAMP結合タンパク質でない場合は、上記の実験で作成したRAMP抗体を用いて、再生筋よりIP実験後、プロテオーム解析によりRAMP結合タンパク質の同定を行う。 <CXCL14> 筋再生を誘導した野生型マウスにCXCL14を静脈注射により投与し、未投与個体と筋再生過程の進行に違いがないか未投与個体と比較する。違いが見られない場合はCXCL14遺伝子ノックアウトマウスへの投与を行う。また、マウス骨格筋由来サテライト細胞を用たCXCL14の機能について検討する。発現抑制系や強制発現系を用いて、2つのCXCL14受容体のうちどちらが筋分化過程に関与するのかを明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究では、骨格筋再生過程におけるRAMPおよびCXCL14の機能を明らかにすることを目標とする。抗体や、in vitro実験系に必要な培地や血清などの消耗品費、トランスジェニックマウスやノックアウトマウスの作製、維持などに必要なマウス購入費、飼育費等に使用する。また、本研究課題を円滑に行う為に研究打合せに必要な旅費、得られた成果を学会等で発表する為の国内および海外旅費、および、研究成果を広く発表するため、外国論文の校閲、投稿料として使用する。
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