2013 Fiscal Year Research-status Report
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24592202
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
中山 由紀 熊本大学, 自然科学研究科, 准教授 (30332381)
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Keywords | 筋再生 / 分泌タンパク質 / 筋分化 |
Research Abstract |
RAMP結合分子であるLYVE1 の発現がRAMPとの共発現により維持されるメカニズムの解明と、リコンビナントRAMPおよびLYVE1を用いたpull downアッセイを試みた。LYVE1はRAMP添加によりその発現が安定することが明らかになったが、mRNAレベルで変動していることから、LYVE1タンパク質の安定化のみならず、他のタンパク質のmRNAレベルを上昇させる可能性が考えられた。実際、RAMPリコンビナントは細胞増殖を促進させる機能があることから、その可能性は高いと考えられる。また、RAMPリコンビナントを哺乳類の培養細胞を用いて作成、精製を行い、活性があることが明らかになった。 CXCL14については、筋芽細胞株を用いた実験により、CXCL14の受容体として報告されている2つの7回膜貫通型GPCRは増殖時には両方寄与するが、細胞の遊走性には1つの受容体のみが寄与することが明らかになった。さらにCXCL14は筋分化を促進する働きがあり、Aktシグナル伝達経路を介していることが明らかになった。また、CXCL14はカルジオトキシン投与により筋再生を誘導した骨格筋では比較的早い段階から発現が見られることが免疫染色により明らかになった。また,マウス骨格筋再生過程におけるCXCL14の機能を明らかにするために、リコンビナントCXCL14の作成と精製を行い、筋芽細胞を用いた実験によりリコンビナントCXCL14が活性を持つことを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
RAMPについてはリコンビナントタンパク質の作成・精製に成功し、今後実験に用いることができる。また、LYVE1との相互作用の解析の結果よりLYVE1はRAMP結合タンパク質の1つであると考えられるが、LYVE1の機能に与える影響についての解析を試みている。 CXCL14については、リコンビナントタンパク質の作成に成功していることから、今後の解析が期待できる。また、CXCL14ノックアウトマウスを用いた実験については共同実験を行うことができるので、今後解析していきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
RAMPについてLYVE1との相互作用について引き続き検討したいと考えているが、一方でLYVE1 mRNAの発現に影響を与えることが分かったこと、また、RAMPが細胞増殖を促進する機能があることからRAMPの結合分子の再探索を新たに行う予定である。これまでY2Hを用いた結合分子の探索を行ってきたが、LYVE1以外の候補分子は得られていない。今後、RAMPリコンビナントタンパク質用いたpull downアッセイなど、他の方法を試みる予定である。 CXCL14についてはリコンビンナントタンパク質をマウス成体や骨格筋に投与することで、筋再生にどのような影響があるのかを検討したい。CXCL14投与により、幹細胞であるサテライト細胞の増殖や、骨格筋への分化過程に影響があるのかどうかを免疫染色により明らかにしていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
動物を用いた実験を行う予定だったが、リコンビナントの作成等に時間がかかり、用いることができなかった為。 次年度、動物への投与や、RAMPコンディショナルノックアウトマウスの解析を行う際に使用する予定である。
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