2012 Fiscal Year Research-status Report
霊長類脊髄損傷モデルを用いたiPS細胞由来神経幹細胞移植と分化制御による再生治療
Project/Area Number |
24592203
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
あべ松 昌彦 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 客員准教授 (70448190)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小宮 節郎 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30178371)
瀬戸口 啓夫 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 特任准教授 (40423727)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 脊髄損傷 / 再生治療 / 霊長類 / iPS細胞 |
Research Abstract |
我々はこれまでに神経幹細胞移植とヒストン脱アセチル化酵素阻害活性をもつバルプロ酸を併用することで、脊髄損傷に対して高い治療効果を発揮する新規治療法を開発した。しかし、今回我々が開発したこの新規治療法を安全に臨床応用するためには、この治療の作用メカニズムを明らかにするとともに、ヒトに近い霊長類で治療効果を詳細に検討することが必要である。当研究では損傷した神経ネットワーク再構築のメカニズムを多面的に解明するとともに、霊長類脊髄損傷モデルに対するiPS細胞由来神経幹細胞移植治療の効果を検討する事が目的である。本研究ではまず、カニクイザル脊髄損傷モデルを安定的に作製し、その評価系確立に着手した。この研究ではヒトに近い種である霊長類であり、解剖学的サイズも近似しているカニクイザルを用いて脊髄損傷モデルを作製する必要がある。しかしながら現在、カニクイザル脊髄損傷作製装置は市販されていない。我々はこれまでにウサギ・ラット・マウス脊髄損傷モデルを用いた研究を展開してきたため、その技術を応用し、カニクイザル専用の圧挫損傷モデル作製装置を開発した。その後、パイロット実験として脊髄損傷モデルを作製した。カニクイザル(3年齢オス)に全身麻酔をかけ、腹臥位で手術を行った。第10胸椎レベルに後方から正中縦切開し、椎弓を露出させた後、エアトームを用いて椎弓切除を行い脊髄を露出させた。その後脊椎を固定し、Impactorにて脊髄損傷を作製した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在カニクイザルを用いた脊髄損傷モデル作製は可能となっているが、カニクイザル購入資金不足にて、Nの数がまだ少ない状況である。今後資金が調達でき次第、Nの数を増やし治療による有為差を評価するとともに、トレーサーを用いた実験や電気生理学的評価を行なう予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究方針として、軽度・中程度・重度の損傷エネルギーでモデルをつくり、その後の下肢運動機能をビデオ撮影するとともに、歩行能力などを客観的に評価して点数化する。その結果から本研究に最適な損傷エネルギーを同定し、一定のエネルギーで損傷を加えたとき、安定した損傷モデルが作製できることを確認する。また、損傷の詳細を評価するために、トレーサーを用いたり電気生理学的手法を用いて評価予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度予算にてカニクイザル1匹分の実験は可能である。 電気生理学的評価とともに、皮質脊髄路のトレーシングを行い、インタクトな状態でどのような回路網になっているかを評価予定である。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Treatment of a Mouse Model of Spinal Cord Injury by Transplantation of Human iPS Cell-derived Long-term Self-renewing Neuroepithelial-like Stem Cells.2012
Author(s)
Fujimoto Y, Abematsu M, Falk A, Tsujimura K, Sanosaka T, Juliandi B, Semi K, Namihira M, Komiya S, Smith A, Nakashima K.
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Journal Title
Stem Cells.
Volume: 30(6)
Pages: 1163-73
DOI
Peer Reviewed
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