2014 Fiscal Year Annual Research Report
運動器の痛みの客観的評価法と有用な治療法の確立に関する研究
Project/Area Number |
24592205
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
矢吹 省司 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (00260779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
紺野 愼一 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (70254018)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | pain / musculoskeletal pain / MR Spectroscopy / catastrophizing / chronic pain / exercise |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、運動器の痛みの客観的な評価方法を確立し、有効な治療法を確立することである。 平成24年度から平成26年度にかけて健常者のデータは20名収集でき、患者のデータは8名収集できた。平成26年度は以下の解析を行った。健常者と患者群の2群間で、1)慢性痛患者の身体運動や移動能力に関する障害度を評価するPain Disability Assessment Scale (PDAS)、2)不安やうつを評価するHospital Anxiety and Depression scale (HADS)、3)痛みの感覚や経験を否定的にとらえる傾向(破局化)を評価するPain Catastrophizing Scale (PCS)、そして4)包括的QOL尺度であるEQ-5Dについて比較した。さらに5)脳のMagnetic Resonance Spectroscopy(MRS)で、視床、前帯状回、および前頭前野のNアセチルアスパラギン酸(NAA)の濃度を比較した。また、6)痛みの軽減に伴う歩行動作の変化について3次元動作分析システムを使用して評価した。 1)PDASは、明らかに患者群で高かった。2)HADS(不安)は明らかに患者群で高かった。HADS(うつ)も明らかに患者群で高かった。3)PCSは明らかに患者群で高かった。4)EQ-5Dは明らかに患者群で低かった。5)脳MRSは、健常群と患者群で明らかな差は認められなかった。その要因としては、痛みの部位や程度、左右疼痛側がばらついていたためと思われる。6)3次元動作分析システムを使用した動作解析は、人工股関節置換術を施行前の患者6例(THA群)で行った。歩行時の単脚時間の左右差はTHA群で0.03秒、健常者群で0.009秒であった。すなわち、痛みのある患側での支持時間が短い。痛みの程度と健側支持時間や二重支持時間との明らかな相関は認められなかった。
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Research Products
(11 results)