2013 Fiscal Year Research-status Report
多血小板血漿と生体吸収性材料を用いた脊椎固定術の開発 ―臨床応用への橋渡し研究―
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24592207
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
池田 巧 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40453120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三上 靖夫 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80360030)
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Keywords | 多血小板血漿 / ゼラチンハイドロゲル / β-TCPスポンジ / 骨癒合 |
Research Abstract |
本研究は自己血液から精製した多血小板血漿と、成長因子の局所徐放能および骨芽細胞誘導能を有するゼラチンβ-tricalcium phosphate(β-TCP)スポンジを用いた脊椎固定術の骨癒合促進効果について大型動物で検証を行う。また多血小板血漿の至適濃度および本術式の安全性を評価することにより本術式の臨床応用を実現するための礎を築くことを目的とする。 全身麻酔下に12月齢のビーグル犬の採血を行い、遠心分離操作によりPRPを精製する。エアドリルを用いて第5、6腰椎横突起の皮質骨を掘削する。両側の横突起間に、1:PRP含浸ゼラチンβ-TCPスポンジ、2:PRP単独、3:ゼラチンβ-TCPスポンジ単独、4:自家腸骨を移植する。無設置群と合わせて5群を設定する。術後、2,4,6,8,12,24週に腰椎椎間板複合体を摘出して以下の評価法を用いてPRP含浸ゼラチンβ-TCPスポンジによる骨癒合促進効果と炎症反応について比較検討する。単純X線腰椎正面および側面像で、横突起間の骨癒合の有無を評価する。3次元CTの腰椎矢状断像を用いて第5、6横突起間の骨梁構造形成や骨癒合を評価する。第5、6腰椎横突起を椎体から分離し、3点曲げ試験機を用いて第5、6横突起間中央に圧迫力をかけ横突起の変位量を計測し、横突起間の力学的強度を測定する。 横突起間組織を矢額断面で未固定非脱灰組織切片を作製する。HE染色を行い、横突起間組織を組織学的に分類する。以上のプロトコールを作成し、ビーグル犬を購入し、実験を開始している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ビーグル犬を飼育するためのケージ数に制限があるため。
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Strategy for Future Research Activity |
全身麻酔下に12月齢のビーグル犬の採血を行い、遠心分離操作によりPRPを精製する。エアドリルを用いて第5、6腰椎横突起の皮質骨を掘削する。両側の横突起間に、1:PRP含浸ゼラチンβ-TCPスポンジ、2:PRP単独、3:ゼラチンβ-TCPスポンジ単独、4:自家腸骨を移植する。無設置群と合わせて5群を設定する。 手術後、in vivoで経時的に腰椎MR T2強調像を撮影し、横突起の周囲軟部組織および骨組織の信号変化を評価し炎症反応の有無を検討する。血中の炎症マーカーを測定し、本法が全身に与える炎症性変化を検討する。麻酔薬の過剰投与により安楽死させ、横突起間組織を摘出する。電子顕微鏡を用いて横突起間のゼラチンβ-TCPスポンジと進入した骨芽細胞を観察し、骨芽細胞誘導能を検証する。仮骨部と周囲の軟部組織を採取し、RT-PCRを用いて、炎症性サイトカインのmRNAの発現量を測定する
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