2012 Fiscal Year Research-status Report
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24592216
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Clinical research Center, National Hospital Organization Murayama Medical Center |
Principal Investigator |
名越 慈人 独立行政法人国立病院機構村山医療センター(臨床研究センター), 整形外科, 医員 (10383837)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 神経障害性疼痛 / 脊髄損傷 |
Research Abstract |
本研究の目的は、近年開発された神経障害性疼痛に関する質問票を用いて、慢性期脊髄損傷患者の疼痛評価を行うことである。平成24年7月に、村山医療センターの倫理委員会より研究推進の許可を得て、研究を開始した。当院に入院または外来通院している52例の脊髄損傷患者に対し、PainDETECT、神経障害性疼痛スコア、SF36の3種類の質問票を配布し、回答を得た。神経障害性疼痛の性質の中では、しびれなど異常感覚を訴える患者が最も多かった。高位別では、胸椎や腰椎レベルに比べて、頸椎レベルでの疼痛スコアが有意に高かった。頸椎損傷において、疼痛の分布を調べたところ、at levelの疼痛と、below levelの疼痛とで症例数に有意差は無く、神経障害性疼痛が脊髄後角および上行投射路の双方が関与している可能性が示唆された。ASIA分類では、Dにおいて疼痛が少ない傾向にあった。また、SF36の中の体の痛みおよび全体的健康感の2項目が疼痛スコアと有意に相関しており、神経障害性疼痛と健康関連QOLが関係している可能性が示唆された。今後はさらに症例数を増やし、より詳細なデータを提示していきたいと考えている。第47回日本脊髄障害医学会において、本研究内容を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書に記載した予定通りに研究は進んでいる。今後は、質問票をさらに多くの脊髄損傷患者に配布し、神経障害性疼痛の評価を詳細に行いたいと考えている。また、データベース化することにより、今後も研究を発展させたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も質問票による研究を進めて行くにあたり、アンケートの準備を行う。症例数を増やすことで、より詳細なデータを提示していく予定である。さらに研究結果をデータベース化することにより、慢性期脊髄損傷患者の疼痛の性質をより詳細に把握したいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度もアンケートの準備や通信費に費用を必要とする。得られた結果を発表するため、学会活動も必要と判断する。また、データベースを管理するにあたり、コンピューターの購入も必要と考えている。
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