2013 Fiscal Year Research-status Report
内在性線維芽細胞・基質複合体被覆下における移植腱マトリクス再構築機序の解明と制御
Project/Area Number |
24592218
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
近藤 英司 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任教授 (60374724)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 和則 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20166507)
近江谷 克裕 独立行政法人産業技術総合研究所, バイオメディカル研究部門, 研究部門長 (20223951)
北村 信人 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80447044)
|
Keywords | 四肢機能再建学 |
Research Abstract |
(目的)1)内在性線維芽細胞・基質複合体被覆下において移植腱に浸潤する内在性線維芽細胞の動態を、in vivo光イメージングにより明らかにする。2)内在性線維芽細胞・基質複合体被覆下における移植腱マトリクスの再構築現象の評価 (方法)1)日本白色家兎20羽を用いる。I型コラーゲンおよびオステロネクチンに対する発光および蛍光抗体プローブを、この動物モデルの前十字靱帯に注入して内在性線維芽細胞を標識する。その後、凍結解凍処理(無細胞)自家腱を、前十字靱帯(内在性線維芽細胞・基質複合体)の中を貫通させて移植し、術後2、4、7、14日において移植マトリクスへ浸潤する内在性線維芽細胞の発光活性をルミノメータで定量的に測定し、発光量の変化は連続発光測定装置クロノスを用いてリアルタイムに観察する。2)実験には成羊(サフォーク種)10頭を用い、24年に開発した手術を行う(被覆群)。左膝関節はコントロールとする(非被覆群)。術後4週で屠殺し、6頭を生体力学的および組織学的評価へ、4頭をPCR解析に供する。 (結果)1)内在性線維芽細胞・基質複合体によって被覆される家兎自家腱移植モデルの開発に取り組んだが、成羊モデルに比較して検体が小さいために再現性のあるモデルの作成に難渋した。2)生体力学的評価:移植腱の断面積は、被覆群が有意に大きかった。 脛骨前後方向移動距離は、被覆群が非被覆群に比べて有意に低値を示した。大腿骨-移植腱-脛骨複合体の構造特性に関して両群間に有意差はなかった。組織学的評価:被覆群では、遺残組織と移植腱の間に連続性を認めたが、実質部中央部では、両群で無細胞領域が観察された。機械的刺激受容器は、被覆群では正常に近い数が観察されたが、非被覆群では少なく有意に低値を示した。 (考察)本研究結果は、内在性線維芽細胞・基質複合体による被覆が移植腱の再構築過程において力学的強度回復および機械的刺激受容器再生に寄与する可能性を示唆した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
すべての研究者のラボは同一キャンパスにあるため、研究者間の連携は堅密である。この研究グループはすでに実質的な研究を行なっており、本研究計画はその中で多角的に検討されて決定されたため、おおむね順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
VEGF、BMP-7などのサイトカインの投与が、上記の内在性線維芽細胞による移植腱マトリクス再構築過程に与える効果を、生体力学的および分子生物学的に明らかにする。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成26年3月に購入した物品については、平成26年4月に支払いが行われたため未使用額残が発生した。 平成26年3月に購入した物品については、平成26年4月に支払いが行われた。
|
Research Products
(16 results)