2014 Fiscal Year Annual Research Report
内在性線維芽細胞・基質複合体被覆下における移植腱マトリクス再構築機序の解明と制御
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24592218
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
近藤 英司 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任教授 (60374724)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 和則 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20166507)
近江谷 克裕 独立行政法人産業技術総合研究所, その他部局等, その他 (20223951)
北村 信人 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80447044)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 四肢機能再建学 |
Outline of Annual Research Achievements |
(目的)(1)VEGF、BMP-7などのサイトカインの投与が内在性線維芽細胞による移植腱マトリクス再構築過程に与える効果を、生体力学的および分子生物学的に明らかにする。 (2)内在性線維芽細胞・基質複合体被覆下における移植腱マトリクスの再構築現象の評価を継続する。 (方法)成羊10頭を用い、また24年度に開発した方法を用いて実験・評価を行なう。術前に凍結解凍処理した半腱様筋腱マトリクスを前十字靱帯組織の中を通して移植し、20microgramのrecombinant human TGF-beta 1をフィブリンとともに投与する(被覆群)。左膝関節は前十字靱帯組織を切除して同様の手術を行いコントロールとする(非被覆群)。術後12週で屠殺し6頭を生体力学的および組織学的評価へ、4頭をPCR解析に供する。 (結果)(1)TGF投与群は、非投与群に比べて大腿骨―移植腱ー脛骨複合体の最大破断荷重および線形剛性が有意に高値であった。脛骨前後方向移動量、移植腱の長さおよび断面積、細胞密度に関しては両群に差はなかった。 (2)術後12週の脛骨前後方向移動量に関して、被覆群は非被覆群よりも有意に低値であった。術後4週および12週における被覆群の断面積は、非被覆群に比べて有意に高値であった。術後4週および12週における構造特性に関しては両群に差はなかった。術後4週および12週における機械的刺激受容体および血管数に関して、被覆群は非被覆群よりも有意に低値であった。 (考察)本研究結果は、内在性線維芽細胞・基質複合体による被覆が移植腱の再構築過程において力学的強度回復および機械的刺激受容器再生に寄与する可能性を示唆した。
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