2012 Fiscal Year Research-status Report
カーボンナノチューブチタンを使用したインプラントの開発
Project/Area Number |
24592221
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
鈴木 昌彦 千葉大学, フロンティアメディカル工学研究開発センター, 教授 (10312951)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | カーボンナノチューブ / チタン合金 / 人工関節 / 摩耗 / Metal on metal / UHMWPE / 骨芽様細胞 |
Research Abstract |
試験片としてSP700: Ti-4.5Al-3V-2Fe-2MoとCNT 0.7 wt%含有SP700を使用した.Metal on metalを想定して ピン(φ2 mm),ディスク(40 x 40mm)の形状で, SP700, CNT-SP700, Co-Cr-Moの3つの組み合わせで摩耗試験を行った. 試験はフリクションプレーヤーを使用した. CNT-SP700の摩耗量はSP700と比較して有意に減少していた. しかし, Co-Cr-Moの結果と比較するとその摩耗量は多かった. UHMWPE (ultrahigh molecular weight polyethylene) on metal摺動部の摩耗特性を評価するために,ピンをUHMWPE,ディスクをCNT-SP700,SP700あるいはCo-Cr-Moにしてピンオンディスク型すべり摩耗試験を行った.ディスクがCNT-SP700,SP700のときのピンの摩耗量には差は確認されなかったが,これらをCo-Cr-Moの結果と比較すると,摩耗量が有意に小さかった(p<0.001). SP700とCNT-SP700のφ14 mm ディスク上で, MC3T3-Eを培養した. 培養後1, 3, 5, 7でAlamar Blue assayを用いて細胞増殖試験を行った. 1日培養後, SEM観察を行った.Image J 1.42qを用いて写真を数値化し,細胞面積とアスペクト比について解析を行った. CNT-SP700とSP700を比較すると,培養1日目には細胞数に差はないが,培養3日目以降ではCNT-SP700で細胞数が有意に多かった.培養1日後のSEM観察の結果では, SP700とCNT-SP700の細胞面積およびアスペクト比に有意な差はなかった.CNT添加によりチタン合金の耐摩耗性と細胞増殖能の向上が確認された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の予定はSP700: Ti-4.5Al-3V-2Fe-2MoとCNT 0.7 wt%含有SP700を使用したピン(φ2 mm)とUHMWPEのディスク(40 x 40mm)を用いたpin on disc試験を行う。 CNTチタンとチタン(コントロール)材料よりdiscを作製して、disc上でマウス骨芽様細胞やヒト由来の骨芽様細胞を培養することとなっていた。Pin on disc試験とマウス骨芽様細胞の培養に関しては年度内に達成可能だった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度の計画は、SP700: Ti-4.5Al-3V-2Fe-2MoとCNT 0.7 wt%含有SP700を使用したピン(φ2 mm)とディスク(40 x 40mm)を用いたpin on disc試験を行う。CNTチタンとチタン(コントロール)材料よりdiscを作製して、disc上でマウス骨芽様細胞を培養して遺伝子発現などを検討することになっている。 次年度に行う予定のSP700: Ti-4.5Al-3V-2Fe-2MoとCNT 0.7 wt%含有SP700を使用したピン(φ2 mm)とディスク(40 x 40mm)を用いたpin on disc試験については、平成24年度内に実施可能であった。SP700: Ti-4.5Al-3V-2Fe-2Moは医療用ではないため、次年度は医療用のTi6Al4VにCNTを添加した材料を調達してpin on disc試験、細胞培養による解析を予定している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は医療用のTi6Al4VにCNTを添加した材料を調達してpin on disc試験、細胞培養による解析を予定している。CNT添加したTi6Al4V金属の調達、pin on disc試験のための金属加工、牛血清などに研究費を使用する。また、CNT添加チタン合金上で骨芽様細胞を培養して蛍光顕微鏡、real-time PCRを用いた遺伝子発現の評価、western blottingによる蛋白発現の評価を行うために研究費を使用する。
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