2013 Fiscal Year Research-status Report
人工膝関節全置換術後の動態解析および日本人膝の形態学的検討
Project/Area Number |
24592226
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
関矢 一郎 東京医科歯科大学, 再生医療研究センター, 教授 (10345291)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宗田 大 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (50190864)
渡邊 敏文 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (60634053)
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Keywords | 国際研究者交流 |
Research Abstract |
私達が開発した日本人向けの人工膝関節ACTIYASについて、本学付属病院で平成25年度にも約100膝の手術を施行した。軟部組織バランスに注意して手術を行い、必要に応じて関節ギャップの計測を行った。また、手術手技と術後の膝関節動態との関連性を評価できるよう、術中の手術操作について記録した。 レントゲン撮影については、整形外科での利用が可能な動画撮影用のフラットパネルの導入が本学付属病院で概ね了承されたが、高額であり設置場所の改築を伴うことから、設置時期は未定である。このため、深屈曲位における膝動態解析の手段として静止画の撮像を行った。伸展位、ランジと跪きの姿勢での90°屈曲位、最大屈曲位である。高齢で体位保持が困難な諸例などを除いて、症状が安定する術後2年以降に撮像し、すでに50膝以上の撮像を行った。 ACTIYASの正確な3次元モデルをメーカーから入手した。3Dスキャンデータ処理ソフトウェア(ジオマジック)を購入し、ACTIYASの3次元モデルへの軸入れを行った。14例について、動態解析用ソフトウェア(ジョイントトラック:米国フロリダ大学で開発、フリーソフト)でシェイプマッチングを行い、数値解析ソフトウェアを用いて最終的なキネマティクスの解析を行った。コントロール群として他院で以前に手術した、日本で頻用されている他機種との比較を行った。 CT画像の評価に関しては、これまでに撮像した症例に加え、人工膝関節置換術を施行した全ての患者で術前CTを撮像してデータを蓄積している。また、36膝について、人工膝関節施行時に行う大腿骨および脛骨の骨切り面の前後径・横径などを計測し、ACTIYASをはじめとした数機種のデザインとの整合性を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本人向けの人工膝関節ACTIYASの手術は、特記すべき有害事象もなく順調に施行されている。術中ギャップの計測や術前後の評価も十分に行われており順調である。 レントゲン撮像に関して、現在、膝深屈曲を含む静止画の撮像を順次行っている。また、3次元モデルへの軸入れ作業を完了し、Shape-matchingおよびキネマティクスの解析作業を進めている。先行する14例の検討では、ACTIYASの大腿骨ロールバックが深屈曲を導いている結果が得られている。 CT画像の解析に関しては、前後径の比率がACTIYASにおいてより日本人膝に近いことが示されている。
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Strategy for Future Research Activity |
日本人向けの人工膝関節ACTIYASの手術は、術中ギャップの計測や術前後の評価を十分に行いながら継続していく。 静止画の解析を進め症例数を増やしていく。他機種とのキネマティクスの比較を十分な症例数で行い論文の形にまとめる。 CT画像の解析に関しては、ACTIYASを施行した症例について、重点的に形態学的解析を行う方針である。今後、症例数を増やして日本人の膝関節の形態学的特徴を明らかにしていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費と旅費を節約したため。 来年度の成果報告に使用予定。
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