2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24592231
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
若林 弘樹 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (50362687)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松峯 昭彦 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00335118)
須藤 啓広 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60196904)
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Keywords | 骨肉腫 / 肺転移 / 生物学的製剤 / 炎症性サイトカイン |
Research Abstract |
in vivoの研究として骨肉腫細胞株143Bを用いた自然骨肉腫肺転移動物モデルを用いて炎症性サイトカイン抑制による抗腫瘍効果および肺転移抑制効果の有無の検討を行った。 ヒト骨肉腫細胞株143Bをマウスの脛骨に移植し、移植後インフリキシマブ(抗TNFα抗体)を腹腔内投与して移植4週後に安楽死させ、腫瘍移植脛骨の肉眼的およびレントゲン的に抗腫瘍効果を検討した。 移植腫瘍はインフリキシマブ治療群、非治療群(コントロール群)と比較して有意な抑制効果はみられなかった。マウスの肺の転移結節数を肉眼的、組織学的に評価し、肺転移抑制効果を検討した。肉眼的肺結節数は肺表面に観察できる結節総数で、組織学的評価では最大滑面における肺結節総数で評価した。肺転移結節数は肉眼的および組織学的いずれも有意にコントロール群と比較してインフリキシマブ治療群では抑制されていた。 in vitroの研究ではインフリキシマブが骨肉腫細胞株143B細胞の移動能・浸潤能を抑制するメカニズムについてケモカインやその受容体の発現を検討した。 143B細胞にインフリキシマブを添加した後、細胞からタンパクを生成し、ウエスタンブロットによる検討を行った。ケモカイン受容体であるCXCR4の発現をインフリキシマブは抑制することを見出した。また、細胞移動に関与するRho およびそのファミリータンパクであるRAc1とCdc42の発現もインフリキシマブは抑制することを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の研究実施計画ないの研究が達成できたため、おおむね順調に進展している。 具体的には骨肉腫細胞自然肺転移モデルを用いて、抗TNFα抗体による抗腫瘍効果の有無、肺転移抑制効果の有無を検討し、肺転移抑制効果を見出した。 肺転移抑制効果のメカニズムとして、昨年度の研究成果より移動能・浸潤能を抑制することを見出したが、ケモカイン受容体CXCR4およびRhoファミリーが関与していることを見出した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度に行った動物モデルの腫瘍組織及び肺転移組織において炎症性サイトカインとしてTNFα、IL-1、6、8の発現およびその下流シグナルの発現状態について免疫組織学的にて検討する。 免疫組織学的検討においてTNF以外に高発現している炎症性サイトカインの有無を検討する。 平成25年度までおよび今年度の結果について社会に発信するために学会報告および論文投稿準備を試みる。
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