2014 Fiscal Year Annual Research Report
分泌型マイクロRNAによる血管新生を基軸とした運動器損傷の新たな治療戦略
Project/Area Number |
24592234
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
中佐 智幸 広島大学, 大学病院, 病院助教 (60467769)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
越智 光夫 広島大学, 大学院医歯薬保健学研究院(医), 教授 (70177244)
味八木 茂 広島大学, 大学病院, 講師 (10392490)
亀井 直輔 広島大学, 大学病院, 病院助教 (70444685)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | microRNA / 血管再生 / エクソソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
目的 健常人より採取した末梢血単核球を播種し、これに低酸素、無血清等の外的刺激を加え、その培地から抽出した分泌型microRNA(miRNA)の血管新生促進作用等を解析する。さらに分泌型miRNAを運動器損傷モデル動物(筋損傷、腱損傷、難治性骨折、脊髄損傷、半月板損傷、靭帯損傷)に投与し、その治療効果を評価する。 方法 健常人より採取した末梢血単核球を播種し、これに低酸素、無血清等の外的刺激を加え、分泌されたmiRNAをマイクロアレイにより網羅的に解析する。これら分泌型miRNAの血管新生能といった機能をin vitroで解析し、これらを運動器損傷モデル動物(筋損傷、腱損傷、難治性骨折、脊髄損傷、半月板損傷、靭帯損傷)に投与し、その治療効果を評価する。 結果 末梢血単核球を低酸素状態にし、その培地を通常の培養条件下での培地とmiRNAマイクロアレイを用いて比較したところ、いくつか特異的発現パターンを示すmiRNAを同定した。これらのmiRNAを線維芽細胞に過剰発現させたところ、有意に細胞増殖が亢進した。また、ラット・マウスを用いて腱損傷、難治性骨折、脊髄損傷、半月板損傷、前十字靭帯損傷、内側側副靭帯損傷の動物モデルを作製し、血管新生促進作用を有するmiRNA-210を投与したところ、いずれの動物モデルも良好な治療効果を示した。またmiRNA-222が血管新生抑制作用、骨分化抑制作用を有することがわかり、難治性骨折モデルにmiRNA-222の阻害剤を投与することで、骨形成が促進することがわかった。 考察 血管新生促進作用を有するmiRNAにより、様々な運動器損傷において良好な治療効果を得ることがわかった。また、低酸素刺激を加えた末梢血単核球から分泌されたmiRNAは細胞増殖を亢進させることがわかった。細胞から分泌された、血管新生能を有するmiRNAを用いれば、患者自身の細胞から得ることもでき、新たな運動器治療法へ発展するものと思われる。
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Research Products
(5 results)