2012 Fiscal Year Research-status Report
運動器変性疾患への臨床応用を目指したIKKシグナルの系統的解析
Project/Area Number |
24592253
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松原 全宏 東京大学, 医学部附属病院, 特任講師 (40361498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
筑田 博隆 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (30345219)
川口 浩 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (40282660)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 軟骨細胞 / 変形性関節症 / NF-kBシグナル |
Research Abstract |
IKKファミリー分子の発現をマウス胎児骨格とマウス変形性関節症モデルにて検証したところ、いずれも強く発現していた。NF-kBシグナルの転写因子Rela/p65の細胞内局在を調べたところ、骨格形成期には著明な変化は認めなかったが、関節軟骨の変性とともに細胞内に局在が偏ることが確認され、NF-kBシグナルが変性に関与することを確認した。 In vivoではIKKαのfloxマウスについて入手し、交配によって数を増やして、次年度以降の解析の準備を行っているが、今年度は先行してRela/p65のfloxマウスを用いて解析した。Prx1-CreやCol2a1-Creなどと交配させて成長期の軟骨でNF-kBシグナルを遮断した場合には軽度の成長障害が認められたが、タモキシフェン誘導性のCol2a1-Creと交配させ、成長後に軟骨特異的に遮断してから変形性関節症モデルを作成したところ、変形性関節症が促進することが明らかとなった。現在これらの細胞内メカニズムについて解析を進めているが、NF-kBシグナルが強く作動したときと弱く作動したとき、全く作動しなくしたときで軟骨内に生じる変化が大きく変わることが明らかとなってきており、今後の焦点ととらえている。また、IKK阻害剤を用いた実験を先行して実施した。市販されているIKK阻害剤を複数入手し、培養細胞に投与してその作用を確認したのち、マウス膝関節軟骨に注射してその作用の解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
NF-kBシグナルは骨格形成には大きな作用を持たないが、NF-kBシグナルの強弱が関節軟骨維持に重要な役割を果たすことを示すデータを複数得ることができた。IKKの遺伝子改変マウスの入手に時間を要したが、阻害剤を用いた解析を先行させることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はNF-kBシグナルの量的な調整が関節軟骨維持にどのような作用を有するかを、in vivo, in vitroで詳細に検証していく。IKKの遺伝子改変マウスを用いた解析の準備を進めるとともに、阻害剤投与実験を進め、治療への応用が期待できるか詳細に検証する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
in vivoの解析が一部次年度に繰り越したため、それに予定していた資金を次年度に使用する計画である。
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