2014 Fiscal Year Annual Research Report
運動器変性疾患への臨床応用を目指したIKKシグナルの系統的解析
Project/Area Number |
24592253
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松原 全宏 東京大学, 医学部附属病院, 特任講師 (40361498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
筑田 博隆 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (30345219)
川口 浩 東京大学, 医学部附属病院, その他 (40282660)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 整形外科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
変形性関節症モデルマウスの膝関節にさまざまな量のIKKの阻害剤を注射したところ、低容量では関節軟骨の変性は抑制されたが、高容量を投与すると反対に変性が促進されることが判明した。そこで次にNF-kBシグナルの主要転写因子であるRelaに注目した。Rela-floxマウスと薬剤誘導性軟骨細胞特異的Creマウス(Col2a1-CreERT2)とを交配させ、ヘテロコンディショナルノックアウトマウス(Col2a1-CreERT2; Rela-fl/+)とホモコンディショナルノックアウトマウス(Col2a1-CreERT2; Rela-fl/fl)を作成して変形性関節症モデルを作成したところ、ヘテロコンディショナルノックアウトマウスでは変形性関節症の進行が有意に抑制されたのに対し、ホモコンディショナルノックアウトマウスでは反対に関節軟骨の変性が著明に促進された。そのメカニズムを培養細胞レベルで探索した。Relaを半減させた細胞では炎症性サイトカインへの反応が有意に抑制され、Adamts5などの変性分子の発現も半減していた。Relaを95%以上ノックアウトした細胞でもこれら炎症性サイトカインへの応答は抑制されていたが、アポトーシス促進分子の発現が強く亢進しており、IKK-NF-kB経路による活性化とは別に、Relaが細胞の生存に必要不可欠な作用を有していることが証明された。
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