2012 Fiscal Year Research-status Report
膜輸送関連タンパク質Rab38の骨代謝調節作用に関する研究
Project/Area Number |
24592255
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
安井 哲郎 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (30583108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 寧 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (50570016)
門野 夕峰 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (70401065)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 破骨細胞分化 / Rab38 |
Research Abstract |
マウスの破骨細胞分化において、遺伝子発現変化およびヒストン修飾変化を網羅的に解析した結果、分化過程で何らかの役割を有していると思われる膜輸送タンパクRab38についてin vitroおよびin vivoに解析を行っている。 in vitro実験系として、マウス骨髄から採取した骨髄細胞にM-CSFとRANKLを作用させることにより破骨細胞分化を誘導する系を使用し、RT-qPCRおよび免疫ブロッティングにより確かにRab38遺伝子およびその発現タンパクが分化につれて増加していることを確認した。また、siRNA、shRNAの手法を用いてRab38遺伝子をknock downした骨髄細胞を用いて破骨細胞を分化誘導したところ、破骨細胞と認められるTRAP染色陽性多核細胞の数はコントロールと比較して減少し、Rab38の抑制により破骨細胞分化が抑制される可能性が示された。 in vivo実験系としては、Rab38 point mutationマウス(Chocolate mouse)を米国のJackson Lab.より購入し、飼育して利用した。購入したRab38 wt/chtマウスを交配してRab38 cht/chtマウスを飼育することに成功した。破骨細胞の分化・機能の指標となる骨密度について、Rab38 cht/chtマウスとwild typeマウスについて成獣で比較したが、その骨密度に有意差は観察されなかった。また、成獣での体格差も同様に有意差を認めなかった。生後1週から8週までの成長過程を観察したが、ここでも有意な体格差は検出されなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
shRNA、siRNAの手法を用いてin vitroにRab38をknock downすることにより破骨細胞分化が抑制されたことから、Rab38が破骨細胞の分化において促進的に働くことが示された。 また、Rab38 mutationマウスの飼育を確立したことにより、今後in vivo系での実験を進める準備が整っている。 Wild typeマウスの骨密度、身長、体重など基本的データの成長曲線も記録された。これにより、今後卵巣摘出などの負荷をかけた場合のデータの比較が可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
in vitro実験系においては、今後Rab38の機能をより詳細に検討するため、免疫染色を行って分化に伴う局在の変化を解析する予定である。また、Rab38と協働して膜輸送機能を担うエフェクターであるVarpについて、Rab38と同様、RT-qPCR、免疫ブロッティング、免疫染色の手法を用いてその発現と局在を解析する。 Chocholateマウスを用いた実験としては、通常の飼育では骨密度や体格の差異を検出することが困難であり、卵巣摘出手術などのストレス下での骨密度の変化を解析する予定である。また、その骨髄細胞を採取してM-CSF、RANKLの投与により破骨細胞に分化させ、その過程でエフェクターであるVarpの時間的空間的発現について解析することにより、Rab38/Varpの破骨細胞分化過程における相互作用を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究では薬品、実験動物等の消耗品が研究経費と主体となる。破骨細胞分化においてRab38に関連する各種シグナル分子、エフェクター分子、転写因子の発現量の変化と活性化を検討するために、各種プライマーや抗体を作成、購入して使用する予定である。
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