2014 Fiscal Year Annual Research Report
骨粗鬆症性軟骨下脆弱性骨折による関節破壊のメカニズムの解析
Project/Area Number |
24592266
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山本 卓明 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20336035)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 骨粗鬆症 / 骨壊死 / 軟骨下脆弱性骨折 / MRI / 性差 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨粗鬆症軟骨下脆弱性骨折では、骨折線の広がりと荷重部に占める割合が、関節破壊の原因の一つであることを提唱した。 具体的には、骨粗鬆症性軟骨下脆弱性骨折の代表的疾患である大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折のうち、一部は保存療法で治癒する症例がある一方、急速に関節破壊を来す症例があることがわかっている。そこで、その予後を規定する因子を、画像所見に基づいてそれぞれの群で比較検討した結果、本骨折の予後予測因子として、MRIにおけるT1強調像でのバンド像が重要であり、これは骨折線を反映しているため、バンド像の長さ、すなわち骨折線に長さと臼蓋荷重部に対する割合が独立因子として予後に関与していることを世界で初めて証明した。 さらに、男性と女性の間で本骨折の予後に有意差があることも報告した。男性の場合は、骨粗鬆症の程度が軽度であり、良好な予後と早期の回復が期待できることがわかった。 また、各種股関節疾患における関節液の分析も行った。特発性大腿骨頭壊死症(ION)、臼蓋形成不全に続発した変形性股関節症(OA)、急速破壊型股関節症(RDC)の関節液中における骨代謝マーカー(BAP、TRACP-5b)、軟骨代謝マーカー(MMP-3、ケラタン硫酸)を比較検討した。ION群は他疾患と比較して、BAP、MMP-3、ケラタン硫酸が有意に高値であった。RDC群は他疾患と比較してTRACP-5bが有意に高値であったが、OA群はいずれもが低値であった。以上より、関節液中骨代謝、軟骨代謝マーカーの違いが、各疾患の関節症進行の病態を表す一つの指標である可能性が示唆された。
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Research Products
(7 results)