2012 Fiscal Year Research-status Report
新しい軟骨コラーゲン発現増強因子の作用機序の解明と軟骨分化・再生医療への可能性
Project/Area Number |
24592270
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
松尾 哲孝 大分大学, 医学部, 准教授 (10284788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 秀克 大分大学, 医学部, 教授 (00222430)
佐々木 隆子 大分大学, 医学部, 助教 (30133193)
岡本 修 大分大学, 医学部, 講師 (40284799)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 軟骨 / 転写 / コラーゲン |
Research Abstract |
まず、XXVII型コラーゲン遺伝子の選択的プロモーターの軟骨細胞に特異的な基本転写調節機構を検討するために、長さの異なるルシフェラーゼコンストラクトを作製し、プロモーター活性を検討した。その結果、2つの基本プロモーター領域が明らかとなった。 次に、これら2つの基本プロモーター領域に関与する転写調節領域を絞り込むために、長さの異なるルシフェラーゼコンストラクトを作製して検討した。その結果、下流のプロモーターは、約100bpの転写調節領域が、上流のプロモーター領域には約150bpの転写調節領域が存在した。そこで、これら2つの転写調節領域に関与する転写因子を同定するために、ゲルシフトアッセイ用のプローブを作製した。 更に、XI型およびXXVII型コラーゲン遺伝子の軟骨特異的エンハンサー領域についても、その活性領域を明らかにするために、ルシフェラーゼコンストラクトを作製し、軟骨および骨細胞を用いて、活性を比較検討した。その結果、軟骨特異的なシスエレメントについて、約200bpの領域まで絞り込むことができた。そこで、これら2つの軟骨特異的調節領域に関与する転写因子を同定するために、ゲルシフトアッセイ用のプローブを作製した。 加えて、これら組織特異的エンハンサー活性の生体内での機能を調べるために、GFPおよびβガラクトシダーぜのコンストラクトを作製した。同時に、受精卵へのインジェクションも試み始めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
掲げた研究計画のうち、XXVII型コラーゲン遺伝子の選択的プロモーターの基本転写調節機構については、順調に解析が進んでいる。同様に、XI型およびXXVII型コラーゲン遺伝子の軟骨特異的エンハンサー領域についても、ほぼその活性領域が明らかになりつつある。この2つの遺伝子の生体内での発現を確認するための、GFPおよびβガラクトシダーぜのコンストラクトも作製済であり、受精卵へのインジェクションも試み始めている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、プロモーターおよびエンハンサー活性に関わる転写因子の同定を試みる。同時に、個体での機能を明らかにするために、トランスジェニックマウスの作製も試みる。更に、マイクロRNAによる制御機構につても、検討を開始する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
基本的には、細胞培養、動物、生化学および分子生物学的手法に関わる消耗品として使用する。関与する転写因子が明らかになった場合は、その機能を検討するために、siRNAや強制発現用のベクター等の購入にも使用する。また現在、軟骨細胞への導入効率があまりよくないので、改善策を検討しているが、その1つとしてエレクトロポレーション等の機器導入も考えている。
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