2012 Fiscal Year Research-status Report
遺伝子多型解析によるステロイド性大腿骨頭壊死症の予防法の開発
Project/Area Number |
24592274
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
井上 重洋 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10184748)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 特発性大腿骨頭壊死症 / 遺伝子多型 / tailor-made medicine |
Research Abstract |
特発性大腿骨頭壊死症(idiopathic osteonecrosis of the femoral head:ION)は阻血性壊死によって大腿骨頭が圧潰し、股関節機能が失われる難治性疾患である。ステロイド性が過半数を占め、医原性の側面も持つため予防法の確立が必要である。ステロイド性IONの発生には疾患関連遺伝子などの多型が関与しているとされている。われわれはすでに一部の遺伝子多型がION発生リスクに密接に関与していることを明らかにしている。今後さらに、ION発生に関与する遺伝子的多型性を解析するために、まずマイクロアレイを用いて一次スクリーニングを行って候補遺伝子を絞り込む。さらに候補遺伝子の塩基配列を解析してION発生と関連する遺伝子を発見することを目的とする。本研究は現在までに積み重ねられた研究データおよび豊富なDNAサンプルを基盤に、日本人を対象としてステロイド性ION発生と、脂質代謝、凝固線溶系関連遺伝子などの疾患関連遺伝子群や、その産物であるタンパク質の解析からハイリスク患者をスクリーニングし、個人レベルでのステロイド投与法(tailor-made medicine)の開発を確立しようとする試みである。新たな疾患関連遺伝子とION発生リスクとの関与が発見されれば、予防のみならず病態解析にも寄与するものと想定される。昨年度までの研究で、われわれの施設で腎移植を施行された患者で、ステロイド投与直後から単純X線像とMRIで、定期的にIONスクリーニングを施行している症例のうち経過観察が2年以上である患者を対象とした。そのうち、採取した末梢血をもとに得られたゲノムDNAサンプルを採取した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
対象は京都府立医科大学で腎移植を施行された患者で、ステロイド投与直後から単純X線像とMRIで定期的にIONスクリーニングを施行している症例のうち経過観察が2年以上である600例とした。方法は、すでに収集したDNAサンプルおよび新規ION発生患者のDNAサンプルを用いてIONスクリーニングを継続し、インフォームドコンセントを得た患者から末梢血10mlを採取しゲノムDNAを抽出した。1次スクリーニングとしてマイクロアレイを行いION発生群と非発生群での遺伝子発現を解析し、疾患発生に関与すると思われる候補遺伝子の絞り込みを行った。候補遺伝子の絞り込みを行った後、シークエンサーを用いた直接塩基配列決定法から多型部位の配列確認を行った。われわれのグループが所有しているリアルタイムPCRを用いて、効率よく大量のsingle nucleotide polymorphism;SNP解析を行った。制限酵素認識配列がある部位については、PCR-restriction fragment lengthpolymorphism;PCR-RFLPを施行した。性別、年齢、原疾患、ステロイド投与量など臨床情報に基づいた多変量解析を用いて、ステロイド性IONと関連するSNPsを同定し、IONとの関連性を調査している。今年度もサンプルの収集を継続する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度から引き続きDNAサンプル採取および臨床情報調査票の収集を行う。併せて複数の遺伝子とIONとの関連を明らかにするために、logistic regression modelを用いてodds ratio(OR)と95%信頼区間(95%CI)を計算し、同じモデル内で、互いの影響を調整して解析を行う。交互作用を検討し、additive modelでSynergistic indexを計算する。さらに、ステロイドを使用するすべての患者に応用できるように、簡便かつ短時間でリスク判定が可能になるキットの作成も同時に行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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