2013 Fiscal Year Research-status Report
視床下部弓状核を介した中枢性骨代謝調節とその破綻機序の解明
Project/Area Number |
24592277
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
中田 正範 自治医科大学, 医学部, 准教授 (10305120)
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Keywords | 骨代謝 / 視床下部弓状核 / AgRPニューロン / PDK1 / Foxo1 |
Research Abstract |
メタボリックシンドロームや糖尿病では骨代謝異常が多く認められる。しかし、生活習慣病で骨代謝調節が破綻していくメカニズム、特に中枢性骨代謝調節の破綻のメカニズムはほとんど解明されていない。本研究では、エネルギー代謝調節の中枢である視床下部弓状核が骨代謝をも調節しうるとの仮説を立てこれを実証し、さらに弓状核の変調による骨代謝調節異常を解明することを目的とした。 弓状核のAgouti-related protein (AgRP)ニューロンとProopiomelanocortin(POMC)ニューロンが存在し、エネルギー代謝調節に重要な役割を果たしている。インスリン・レプチンの細胞内シグナルに重要な分子であるPDK1に着目し、Cre-loxPシステムを用いて各ニューロン特異的なPDK1コンデショナルノックアウトマウスの骨代謝を昨年度解析した。その結果、AgRPニューロン特異的PDK1ノックアウトマウスで低身長と骨密度の低下を認めた。本年度は、PDK1の下流シグナル分子であるFoxo1に着目した。Foxo1は転写因子であり、PDK1により転写活性は負に制御される。つまり、PDK1ノックアウトマウスではFoxo1の活性は常時亢進している。そこで、抑制型Foxo1をCre-loxPシステムによりPDK1ノックアウトマウスに発現させることで、ノックアウトマウスの表現型はFoxo1を介してものであるかの検討を行った。その結果、AgRPニューロン特異的PDK1ノックアウトマウスに認められた低身長・骨密度の低下は抑制型Foxo1の発現により是正された。これらの結果から、弓状核のAgRPニューロン内のFoxo1活性が骨代謝調節に重要であることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
二年度目の計画は順調に遂行できた。抑制型Foxo1過剰発現マウスの作成を順調に行なった。Ag RPニューロン特異的PDK1ノックアウトマウスとAgRPニューロン特異的PDKノックアウト・抑制型Foxo1過剰発現マウスとの解析から、骨代謝調節が弓状核AgRPニューロンのFoxo1活性に依存している事が明らかになった。現在、AgRPニューロンから骨組織への神経経路と生理活性分子の解析を順調に進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
計画書にあった次年度以降の研究計画を遂行する予定である。 この解析の終了後、本研究は論文として投稿する予定である。さらに、弓状核からの神経投射、骨代謝調節の鍵となる生理活性分子の同定を行う。更に標的分子の病態モデル動物での動態を解析し、メタボリックシンドロームや糖尿病に関連した骨代謝異常の診断および治療法の確立への前臨床試験とする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1.実験の遂行の最終目的の一つである、本研究の論文化に至っていない。それ故に最終年度まで遺伝子改変マウスの維持管理の経費が必要となった。2.最終年度の交付額では実験消耗品を購入するのに不足することが予測される。消耗品の使用期限もあり本年度中の購入では使用時に不都合が起こるために、最終年度に購入する必要がある。 以上の2点により次年度使用額が生じた。 1.遺伝子改変マウスの管理維持費用。2.生理活性物質測定関連試薬。以上2点に使用予定である。
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Research Products
(6 results)