2014 Fiscal Year Research-status Report
視床下部弓状核を介した中枢性骨代謝調節とその破綻機序の解明
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24592277
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
中田 正範 自治医科大学, 医学部, 准教授 (10305120)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 神経科学 / 骨代謝 / 内分泌 |
Outline of Annual Research Achievements |
メタボリックシンドロームや糖尿病では骨代謝異常が多く認められる。しかし、生活習慣病で骨代謝調節が破綻していくメカニズム、特に中枢性骨代謝調節の破綻のメカニズムはほとんど解明されていない。本研究では、エネルギー代謝調節の中枢である視床下部弓状核が骨代謝をも調節しうるとの仮説を立てこれを実証し、さらに弓状核の変調による骨代謝調節異常を解明することを目的とした。 弓状核のAgouti-related protein (AgRP)ニューロンとProopiomelanocortin(POMC)ニューロンが存在し、エネルギー代謝調節に重要な役割を果たしている。インスリン・レプチンの細胞内シグナルに重要な分子であるPDK1に着目し、Cre-loxPシステムを用いて各ニューロン特異的なPDK1コンデショナルノックアウトマウスの骨代謝を昨年度解析した。その結果、AgRPニューロン特異的PDK1ノックアウトマウスで低身長と骨密度の低下を認めた。本年度は、PDK1の下流シグナル分子であるFoxo1に着目した。Foxo1は転写因子であり、PDK1により転写活性は負に制御される。つまり、PDK1ノックアウトマウスではFoxo1の活性は常時亢進している。そこで、抑制型Foxo1をCre-loxPシステムによりPDK1ノックアウトマウスに発現させることで、ノックアウトマウスの表現型はFoxo1を介してものであるかの検討を行った。その結果、AgRPニューロン特異的PDK1ノックアウトマウスに認められた低身長・骨密度の低下は抑制型Foxo1の発現により是正された。さらに、AgRPニューロンによるGH-IGF1系を介した骨代謝調節経路が明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の研究仮説を異なる実験結果を見出しており、論文としてまとめて投稿することが遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果を纏めて、学術論文として投稿する。またそれに関する、追加実験を行う。
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Causes of Carryover |
研究結果が、当初の予測と異なる状況が生じて、追加実験が必要になった。それ故に学術論文とした纏めるのが遅れてしまった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
追加実験の施行と、論文投稿代さらに論文審査における追加実験の費用として申請する。
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Research Products
(7 results)