2013 Fiscal Year Research-status Report
慢性閉塞性肺疾患における骨脆弱化機序の解明ー全身性コラーゲン分析をもとにー
Project/Area Number |
24592283
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
齋藤 充 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (50301528)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木田 吉城 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (90328310)
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Keywords | 慢性閉塞性肺疾患 / 終末糖化産物(AGEs) / 骨脆弱化 / コラーゲン分析 / 骨質 |
Research Abstract |
慢性閉塞性肺疾患(COPD)症例における骨脆弱化の機序を解明することを目的として、剖検例を用いたCase-Control研究を行った。COPD例, 間質性肺炎(IP)例, 糖尿病(DM)例および非COPD症例として、男女各20-25例から検体を採取した。非COPD例は、骨代謝、コラーゲン代謝に影響を及ぼすような代謝性疾患罹患例(糖尿病,内分泌疾患,先天代謝異常症)は除外した。対象年齢は60歳以上とする。採取組織は、腰椎椎体(1-2椎体)および隣接する椎間板, 椎間関節, 皮膚, 肺実質部, 気管軟骨, 胸部大動脈を採取し、これらにおけるコラーゲンの終末糖化産物(AGEs)を測定した。 その結果、骨AGEs量は、非COPD群に比べ、DM群およびCOPD群では有意に高値であったのに対して、IP群には差はなかった。一方、皮膚, 肺実質部, 気管軟骨, 胸部大動脈におけるAGEs量は各郡間で有意差はなかった。このことから、COPD群では、DM群と同程度に骨コラーゲンにAGEs化が生じていることが明らかになり、COPDは骨特異的にAGEs化が進んでいる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
COPDにおける骨へのAGEsの増加は、コラーゲン線維の強度変化に直接的に悪影響を及ぼすのみならず、骨芽細胞機能の低下や破骨細胞の活性化を誘導するという生物学的な側面でも悪影響を及ぼすことが判明した。
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Strategy for Future Research Activity |
今回は剖検例であるため、血液および尿の採取が困難を極め測定ができなかったが、今後は、COPD例における血液検査と骨生検のデータセットを蓄積する必要があると考えている。
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