2014 Fiscal Year Annual Research Report
関節リウマチにおけるSDF-1による関節破壊機序解明
Project/Area Number |
24592284
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
神戸 克明 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (70366326)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 関節リウマチ / SDF-1 / CXCR4 / 骨破壊 |
Outline of Annual Research Achievements |
関節リウマチ(RA)の病態機序は未だ解明されておらず、RAの疾患活動性と骨関節破壊は必ずしも相関しない。すなわちRAの病態は疾患活動性と骨関節破壊で別なメカニズムが存在するという仮説を立証するために免疫組織学的手法を用いてRA滑膜組織の研究を施行した。まず基礎的実験手法の確立として免疫組織学的な新しい評価法を樹立した。Visual Analogue Scale (VAS)を用いてgradingを0-5まで6段階に行い、Inter observer: κ=0.88542(z=6.04346, P<0.001, 95%CI 0.49-0.93)、Intra observer: κ=0.89916(z=6.93457, P<0.001, 95%CI 0.65-1.0)であった。この方法をImmunohistological Score (IH score: grade 0-5)と称し論文発表した(Kanbe K, et al. Mod Rheumatol 24:910-914,2014)。一方、RAのメカニズムとして重要なStoromal cell drived factior 1はchemokineの1種でそのレセプターであるCXCR4が関節軟骨培養細胞に発現し、SDF-1が関節滑膜培養細胞に発現していることを認めた。IH scoreを用いて生物学的製剤治療中におけるRA滑膜組織15例の(DAS)28(CRP)、van der Heijde-modified Sharp (vdH-S) score、ARASHI score, IH score (CD4、CD20、CD68、MMP-3、TNF-α、IL-6)、血清TNF-α、血清IL-6、Rooney scoreについて統計学的に検討した。その結果、SDF-1 IH scoreはDAS28(CRP)に有意に相関を認めた(P=0.0381、r=0.539)。またSDF-1 IH scoreは血清IL-6にも有意に相関していた(P=0.0261、r=0.571)。CXCR4はARASHI scoreに有意に相関を認めた(P=0.0329、 r=0.552)。CD4 IH scoreはTotal Sharp Scoreに有意に相関を認めた(P=0.0141、r=0.6180)。すなわち疾患活動性にSDF-1が関与し、大関節破壊にCXCR4、抹消の手足関節破壊にCD4が関係することが判明した。従ってRAの骨関節破壊機序はTリンパ球が首座にありこれに発現しているCXCR4がRAの大関節破壊に関係していた。
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Research Products
(5 results)