2013 Fiscal Year Research-status Report
軟骨細胞核酸修復酵素APエンドヌクレアーゼ活性と軟骨変性機序の解析
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24592286
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
油井 直子 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (20266696)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
唐澤 里江 聖マリアンナ医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50434410)
遊道 和雄 聖マリアンナ医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60272928)
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Keywords | 軟骨細胞 / DNA修復酵素 / 変性 |
Research Abstract |
変形性関節症(Osteoarthritis, OA)の発症に関与する機械的ストレスに対する軟骨細胞応答や防御機構、軟骨変性の機序については未だ不明な点が多い。最近我々は、軟骨変性・異化の誘導因子に応答したDNA修復酵素APEX2の発現が、正常軟骨細胞ではみられず、OA患者由来軟骨細胞のみにおいて上昇していることを見出した。 このAPEX2に関する研究成果をもとに、以下の検討を行いOA病因病態解明の基盤を確立する。 (1)OA誘導因子に応答する軟骨細胞DNA損傷修復酵素APEX2活性の調節機構の解明 ①OA誘導因子ストレス応答APEX2の防御機構としての役割の解析: 23年度計画の実験で樹立したAPEX2欠損軟骨細胞及びAPEX2過剰発現細胞において、軟骨誘導異化因子(H2O2, IL-1β)刺激下の軟骨細胞活性を解析して[評価項目: anabolic activity (プロテオグリカン, II型コラーゲン産生能), catabolic activity(軟骨基質分解酵素MMPs,]、APEX2の防御的役割を検証した。②OA患者関節軟骨組織におけるストレス応答APEX2発現度と軟骨変性度との関連:OA患者から同意を得て採取し関節組織標本におけるAPEX2発現度を免疫染色により解析し、軟骨変性度(組織学的所見)や臨床所見等の臨床的背景との関連を分析する。本件については、変形性関節症発症の実験マウスをもちいて、各週数ごとの変性の程度の評価とともにDNA修復酵素APEX2の発現の有無を、免疫組織染色を用いて確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)軟骨細胞のOA誘導因子・メカニカルストレス応答機構としてのDNA損傷修復酵素APEX2活性の検証:1)メカニカルストレス負荷培養実験系として、すでに確立されている静水圧下軟骨細胞培養システムおよび培養細胞・進展圧縮装置を購入段階となった。 2)DNA損傷修復酵素APEX2の活性変化の検証:ヒト関節軟骨細胞培養実験系を用いて、各種OA誘導因子培養条件下における軟骨細胞DNA損傷修復酵素(APEX2)の発現の有無を免疫組織染色をもちいて確認できた。変性の程度に比例して修復酵素が発現していることが確認された。また、その機能解明の確認としてウェスタンブッロット法、ELISA法をいもちいてDNA修復酵素の酸化ストレスに対する反応の変化が確認できた。現在までの結果を、2014年4月23日のOARSI国際学会へ発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
DNA損傷修復酵素APEX2の発現・活性の細胞内情報伝達路の解析 (ストレス刺激条件下における翻訳後修飾の網羅的プロテオミクス解析): 実験的メカニカルストレス下における軟骨細胞のDNA損傷修復酵素APEX2活性化の細胞内情報伝達路を、翻訳後修飾の網羅的解析法(プロテオミクス解析)により分析する。 細胞のストレス応答系は細胞内情報伝達経路によって調節されている。ストレスに応答して蛋白質が受ける多彩な翻訳後修飾の中で、リン酸化・脱リン酸化の反応は細胞内情報伝達経路を制御するメインイベントであるとされている。“どの蛋白質”の“どの部位”が、“いつ”、“どのくらい”リン酸化・脱リン酸化されるのかを知ることは情報伝達機構解明のうえで極めて重要とされている。我々は、RNA干渉法を用いたAPEX2欠損軟骨細胞および遺伝子導入によるAPEX2過剰発現軟骨細胞を樹立し、各種ストレス条件下におけるこれらの細胞のリン酸化翻訳後修飾の網羅的解析を比較分析し、OA誘導因子に応答した軟骨細胞DNA修復酵素APEX2の細胞内情報伝達路を解析する
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
継続した実験計画の途中段階であり、今後次の段階へ進むに当たり静水圧実験やDNA修復酵素過剰発現実験において経費が必要となる。また、PCR法も行う予定であるため一連の実験計画に沿って進めている。 軟骨細胞のOA誘導因子・メカニカルストレス応答機構としてのDNA損傷修復酵素APEX2活性の検証:メカニカルストレス負荷培養実験系として、すでに確立されている静水圧下軟骨細胞培養システムおよび培養細胞・進展圧縮装置を用いる。これらの外因性ストレス負荷実験系で軟骨細胞を培養し、以下の解析を行う:i) 細胞内の活性酸素種の検出(ii) DNA酸化損傷の検出。iii)DNA損傷修復酵素APEX2の活性変化の検証:RNA level (real-time PCR)及びProtein level (Western blotting)で検証する。
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