2013 Fiscal Year Research-status Report
吸入麻酔薬による術後認知機能低下の機序に関する研究
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24592292
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
堀口 剛 秋田大学, 医学部, 准教授 (70221570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川村 公一 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00091801)
真崎 容子 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30125744)
安部 恭子 秋田大学, 医学部, 助教 (30311575)
西川 俊昭 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50156048)
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Keywords | セボフルラン / 脳 / 微細構造 |
Research Abstract |
【背景】研究分担者である病理学者の川村公一が、他大学に転出することが予定されたため、急遽、研究の順番を変更し、セボフルラン麻酔後の脳の微細構造の変化の研究を優先した。 【方法】SDラット(9週齢)を3%セボフルランで6時間麻酔後、ペントバルビタール麻酔下にて0.1Mカコジル酸バッファー(pH7.4)で全身灌流し、2%グルタルアルデヒド/0.1Mカコジル酸バッファーにて灌流固定した。脳の大脳皮質および海馬を細切し、透過電子顕微鏡用試料を作製後、日立H-7650型電顕を用いて観察した。セボフルランを投与しないラットの脳を対照群とした。 【結果】セボフルラン投与後、大脳皮質および海馬では血管周辺を取り巻くグリア細胞が膨化し、内腔が狭小化した血管が多数確認された。また血管周囲腔には、細胞質内に各種の電子密度の顆粒を含む細胞も観察された。さらに重度の核萎縮を伴う変性細胞が多く存在した。 【結語】セボフルラン麻酔後、大脳皮質、海馬において、細胞質内にセボフルランと推測される高電子密度の顆粒が多数観察された。また血管周辺部微細構造の顕著な変化が認められ、変性した細胞も多く存在した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
電子顕微鏡による吸入麻酔後の微細構造の変化の研究を優先したため、当初予定していた吸入麻酔薬の濃度の相違による認知機能の変化の相違の研究ができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初、最初に予定していた吸入麻酔薬の濃度の相違による認知機能の変化の相違の研究をまず行いたい。 すなわち、低濃度の吸入麻酔薬そのもの、および浅麻酔下での手術侵襲が認知機能低下を長期化させるという仮説を明らかにしたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究分担者である病理学者の川村公一が他大学へ転出するため、病理学的微細構造の検討を優先した。このため低濃度吸入麻酔薬そのもの、および浅麻酔下での手術侵襲が認知機能を低下させるという仮説の検証に必要な備品の購入が次年度となったため。 低濃度吸入麻酔薬そのもの、および浅麻酔下での手術侵襲が認知機能を低下させるという仮説の検証に必要な備品の購入および、吸入麻酔後の脳内シナプス蛋白レベル測定のキットを購入する計画である。
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Research Products
(2 results)