2014 Fiscal Year Annual Research Report
全身麻酔後の記憶学習能変化とAMPA型グルタミン酸受容体の関与に関する研究
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24592308
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
伊奈川 岳 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員准教授 (60336584)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内本 一宏 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 共同研究員 (50710951)
後藤 隆久 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00256075)
高橋 琢哉 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20423824)
宮崎 智之 横浜市立大学, 医学部, 助教 (30580724)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 吸入麻酔薬 / 記憶学習 / 海馬 / 受動回避 / 神経可塑性 / 長期増強 / グルタミン酸受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、過年度に検討を行なった投与条件を用いて,デスフルラン麻酔モデルラットを作成し,行動学的実験をおこなった.これまでのところ,5分間のデスフルラン曝露後では1、7日後とも有意な低下は認められなかったが、2 時間のデスフルラン曝露では、IA test の成績が 1日後に低下し、7日後には回復するという,イソフルラン麻酔モデルとは異なる知見を得ている. またプロポフォール麻酔モデルラットでは,過年度までの研究で、曝露7日後には海馬においてイソフルレン投与モデルと異なるメカニズムが働いている可能性が示唆されているので,、海馬組織における長期増強に対する影響について,電気生理学的な検討をおこなっており,現在データを蓄積中である. イソフルレン投与モデルでは、麻酔暴露7日後の海馬検体を持ちいて,qRT-PCR法によるAMPA受容体のGluA1 sub unitのmRNAの定量解析をおこなったが,変化は認められなかった.次に,海馬組織検体のホモジェネートから免疫沈降法を用いてGluA1サブユニットを濃縮抽出し,ユビキチン化レベルの変化を分析したところ,麻酔暴露後の検体では有意に低下しているという知見が得られた.シナプス後膜上から再取り込みされたAMPA受容体の分解過程が抑制されて,シナプトソーム分画におけるGluA1 sub unitの増加を生じている可能性が示唆された。 ここまでの成果のうち,イソフルラン麻酔モデルで得られた知見については,英文査読誌であり麻酔科学領域のトップジャーナルであるAnesthesiology誌に原著論文として掲載された.また第61回日本麻酔科学会総会のシンポジウムにて,これまでに得られた知見を総合して発表を行なった。
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