2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24592309
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
渡辺 至 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員教授 (20534142)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 祐介 横浜市立大学, 附属病院, 講師 (80433192)
馬場 靖子 横浜市立大学, 市民総合医療センター, 講師 (80453041)
川上 裕理 横浜市立大学, 医学部, 助教 (90407958)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | PACAP / pumonary hypertension / lentivirus |
Research Abstract |
肺高血圧症の不可逆的な血管損傷は根治療法が無い。神経伝達物質VIP,PACAP及びその受容体の遺伝子欠損動物は肺高血圧を呈することが報告され、我々はラット肺高血圧モデルの肺組織においてVIP, PACAPのリガンドmRNA発現が減少しその受容体であるVPAC1, VPAC2, PAC1発現が増加していることを確認した。VIP、PACAPは様々なモデルにおいて臓器保護作用が報告されており、肺高血圧症では代償的に受容体の発現が亢進し、保護的に機能していると仮説を立てた。本研究では第三世代lentivirus vectorにVIP/PACAPの肺の限局的、持続的発現による、新たな肺高血圧治療法の開発を行っている。PACAPのmRNAをラット脳から取得しcDNAに変換し、これをレンチウイルスベクター用プラスミドに導入した。パッケージとなった3種類のプラスミドを培養HEK細胞に導入し、レンチウイルスベクターを作成した。作成されたウイルスは超遠心で濃縮し、ウイルスのタイターを計測した後、培養細胞にウイルスを接種しPACAPの発現をwestern blot,PCRにて確認した。今後は培養細胞から肺高血圧モデルを使用した実験に移る。PACAP発現レンチウイルスベクターを正常および肺高血圧モデルの呼吸器に接種させることで肺組織でPACAPを発現させる。肺高血圧への影響を循環動態、生化学的検討から行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
VIP、PACAPのcDNAを組み込んだレンチうウイルスの作成において、in vivoでの実験に必要なタイターが得られるようになるまで時間を要した。細胞培養等の種々の条件を最適化することで、予定していたタイターが得られるようになった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までに得られたin vivo実験に十分なタイターのレンチウイルスベクターを用い、正常ラット、マウス呼吸器への接種し、投与条件を検討する。レンチウイルスベクターによる肺組織におけるPACAP発現を、免疫染色、western blot, PCR等で確認するす。肺高血圧モデル作成に4週間程度必要なため、PACAP発現期間の検討や、中長期における予期せぬ副作用の有無等も観察していく。次に肺高血圧モデルにPACAP発現レンチウイルスベクターを接種し、肺高血圧の程度を循環動態から検討していく。体血圧、右心圧、肺血管抵抗、体血管抵抗、心拍数、心係数等の循環動態の評価を行う他、TNF-α、NFκB活性化等の生化学的検討も行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年度はレンチウイルスベクター作成、確認の作業が遅れ、in vivoの実験を行う段階に達していなかった。このため肺高血圧モデルを使用したウイルス投与実験等は行わなかった。よって動物購入管理費用等、循環動態評価、生化学的検討に相当する費用の繰越金が生じた。今年度はPACAP発現レンチウイルスベクターが十分なタイターをもって作成されたので、正常および肺高血圧モデルに接種し、肺高血圧症への効果を上記の手法を用い検証する。
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Research Products
(1 results)