2012 Fiscal Year Research-status Report
術後譫妄と覚醒意識レベル評価のためのα波に関する後頭前頭誘導脳波の同時解析
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24592313
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Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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| Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
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Principal Investigator |
林 和子 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員講師 (40285276)
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| Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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| Keywords | 麻酔意識制御 / alpha wave / 脳内ネットワーク / コヒーレンス / パワースペクトル / 後頭脳波 / 譫妄 / 意識レベル |
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| Research Abstract |
麻酔中及び周術期覚醒時の後頭脳波と前頭脳波を同時解析し、意識変容に伴う時空間的機能的脳内ネットワークの変化を調べることを第一課題として研究活動をおこなってきた．手術麻酔管理症例において、脳波電極を前頭部と後頭部に装着し、麻酔中及び周術期覚醒時の後頭脳波と前頭脳波を持続的に脳波BISモニターを用いて収集した．前頭・後頭誘導のそれぞれの脳波のパワースペクトラム、及びバイコヒーレンススペクトラムを解析して、麻酔前後のα 帯域のパワーの推移を調べ、後頭脳波α 活動と患者の術前の意識レベルとの関係を探った．更に、脳内のダイナミックな電気活動変化を調べる目的で、両脳波間のコヒーレンスと位相遅れを算出した。また、後頭脳波と、その被検者の覚醒意識レベルの疫学的背景を併せて検討するため、若壮年と高齢者の２群において、術前意識レベルでの後頭脳波α 活動を検討した．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前頭・後頭誘導脳波のパワースペクトラム、及びバイコヒーレンススペクトラムを解析した結果、麻酔前に後頭部に優位なα活動が、麻酔後は前頭に移行することが明らかになった。また後頭及び前頭のα活動は、バイコヒーレンスの増大を伴っており、このα活動の制御に視床皮質回路が関係することが示唆された。若壮年と高齢者の２群において、覚醒時の後頭脳波α 活動を検討した結果では、高齢者の後頭誘導脳波のα活動が若壮年より減弱している結果が得られた。また、セボフルラン３％では、0.5％に比して、前頭側頭間、及び前頭後頭間のコヒーレンスは、各々、約80%に減少し、麻酔下では、α帯域で、後頭より前頭部の位相が先行することが示唆された．これらの結果は、麻酔科学会、日本周術期時間医学研究会において発表し、またその成果の一部は雑誌論文に投稿中である。
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| Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は、脳波収集を主にBISモニターを用いて行ってきた。しかしこのモニターからの脳波収集では、収集できる誘導に制限があるので、国際10-20法に則り多誘導を測定できる脳波計を用いて、平成24年度と同様な研究を施行しその結果を検証する。
更に、認知症や脳梗塞患者の後頭脳波を解析して年齢や覚醒状態に応じたその疫学的検討を更に詳細に行い、譫妄に関係すると考えられている神経伝達物質や麻酔関連薬物（例えば抗コリン作動性薬剤やオレキシン等）と後頭脳波との関係を探り、後頭α 波が譫妄などの周術期の意識変容に関する指標となりうるかを調べる。
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| Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
多誘導の脳波測定システムを構築するために、新たな脳波計測機材と脳波収集用及び脳波解析用高性能コンピュータが必要であり、更に解析ソフトのライセンス更新や国際学会での成果発表等に使用する予定がある。
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