2013 Fiscal Year Research-status Report
敗血症における中枢神経障害でのRAGEとHMGB-1の関与と治療法の確立
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24592325
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
門井 雄司 群馬大学, 医学部附属病院, 准教授 (10292591)
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Keywords | 敗血症 / HMGB-1 / 中枢神経障害 |
Research Abstract |
消化管穿孔モデルを作成し、この敗血症モデルから4時間ごとに採血を実施しRAGEとHMGB-1の変動を時系列で追跡した。各メディエータ濃度はELLISA kitを用いて測定を行った。それと伴に中枢神経障害を評価した。 中枢神経障害の解析:意識レベルの評価法:動物行動学的研究において用いられる、侵害刺激に対する逃避反応の疼痛閾値を測定することで意識レベルを評価する。急性侵害刺激は、(i)熱せられた板の上に動物をおいて回避行動発現までの潜時(hot-plate test)、(ii)ガラス板の下から後肢に熱刺激を加えて回避行動発現までの潜時(paw flick test)、(iii)熱刺激を尾に加えて回避反応を起こすまでの潜時(tail flick test)、(iv)後肢に一定のスピードで連続的に増加する力を与えて回避反応を起こす圧力の測定(paw pressure test)、などを用いて評価した。 結果:血行動態はモデル作成後数時間で急激に変動してきた。 RAGEは敗血症が発生直後から上昇し、24時間後にピークとなった。一方、HMGB-1は、敗血症が12時間後から上昇し48時間でピークとなった。サイトカインにかんしてはIL-6は6時間後から急激な上昇を認めて、48時間まで上昇していた。 中枢神経障害は、12時間後から変化を認め、その後急激に刺激に対する反応低下が観察された。その変化は、HMGB-1の上昇と一致した変化であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
敗血症モデルの作成は順調であったが、その後の血行動態変動が一定ではなく、再現性がやや一定ではないために、その後の中枢神経系評価に時間がかかった。 しかし、サイトカイン測定法などは技術的に問題がなく、スムーズに行えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度 のin vivoの実験では敗血症が完成した6時間後にEdaravone投与を行い、①Immunohistochemistry法を用いた脳内MAP2とβ amyloid protein発現減弱への効果、②大脳皮質神経細胞内の神経細胞活動への効果、③中枢神経障害への効果、を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
動物実験において敗血症製脳症の再現性が均一ではないため、その後に測定するサイトカインなどの測定キットの購入が目標より少なめであった。 次年度は、拮抗薬を投与した実験を行うために、次年度分の使用には問題がない。また繰り越した金額分は、サイトカインの測定キットを購入して、拮抗薬の効果を確かめるために使用するので、問題なく使用できる。
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Research Products
(2 results)