2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24592331
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
高倉 康 福井大学, 医学部, 准教授 (40206735)
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Keywords | セボフルラン / ノルアドレナリン / 血管 / 血流再分布 |
Research Abstract |
[方法] ラットから摘出した、大動脈、頸動脈、肺動脈、腸間膜動脈、腎動脈、大腿動脈を用いて、ノルアドレナリンの収縮反応を等尺性張力を測定することにより評価した。また、その収縮反応が吸入麻酔薬セボフルランにて修飾されるかどうかを研究した。1.0、2.0、4.0 % のセボフルランを、培養液中に酸素、二酸化炭素と同時にバブリングにより投与し、培養液中の溶存濃度を液体クロマトグラフィーにて測定した。 [結果] 大動脈、頸動脈、肺動脈、腸間膜動脈、腎動脈、大腿動脈はそれぞれ、ノルアドレナリンによって濃度依存性収縮反応を示した。1.0、2.0、4.0 % のセボフルランの培養液中の濃度は濃度に比例して増加していた。大動脈、頸動脈、肺動脈、腸間膜動脈、大腿動脈では、ノルアドレナリンの収縮反応は1.0、2.0、4.0 % のセボフルランによる有意な変化は見られなかった。しかし、腎動脈では1.0、2.0 % セボフルランでは有意な変化は見られなかったが、4.0 % セボフルランによって、有意な抑制が認められた。 [考察と結論] ラット大動脈での同様の研究で、セボフルランがノルアドレナリンによる収縮反応に影響を与えないという報告があるが、他の部位の血管ではどうなのかは調べられていない。今回、腎動脈では高濃度のセボフルランがノルアドレナリンによる収縮反応を抑制した。このことから、高濃度のセボフルラン使用時には臓器血流の再分布が生じている可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
様々な部位の血管を摘出して、複数の麻酔薬濃度を使用したため、統計学的処理のための十分な例数を得るために予定以上の実験回数が必要となった。
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Strategy for Future Research Activity |
低温、高温状況での反応性を引き続き研究する。また、異なる吸入麻酔薬や静脈麻酔薬を用いて、温度変化状況での最善の麻酔薬を探求する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
出席予定の学会を欠席したため。 平成26年度の実験動物費として使用予定。
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