2012 Fiscal Year Research-status Report
低酸素誘導性因子と周術期使用薬剤がマイクログリア活性化制御に果たす役割の探究
Project/Area Number |
24592336
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高淵 聡史 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (90402841)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広田 喜一 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00283606)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 慢性疼痛 / 脊髄 / HIF-1 / 微小環境 / マイクログリア |
Research Abstract |
中枢神経系における炎症の担い手であるグリアとくにマイクログリアの活性化に着目してCNSの酸素環境を司る低酸素誘導性因子1(HIF-1)と周術期使用薬剤がマイクログリアの活性化に与える影響を申請者らがいままで蓄積してきた骨髄由来のマクロファージ活性化機序のとの比較検討により培養細胞株,マウス個体を用いた検討で明らかにすることが本申請の目的である。研究計画に沿って研究を遂行して本年度は以下の研究結果を得た。 #1 マイクログリアの活性化における酸素代謝の役割の検討 - 中枢神経系の自然免疫を司るマイクログリアの活性化における酸素代謝,低酸素誘導性因子1の活性化を活性化マーカーの発現や貪食能との関連で検討した。マイクログリアの活性化にともないHIF-1が活性化して好気的なエネルギー産生が抑制され嫌気的な解糖系を主体としたエネルギー産生へのリプログラミングが起こる事,さらにいくつかの活性化表面抗原のmRNAの発現にHIF-1が深く関わっていることを見いだした。 #2 初代培養マイクログリアの培養系の構築 - マウスの脳からマイクログリア細胞を初代培養する実験系の構築を試みたが成功に至らなかった。 #3 in vivoモデルを用いた脊髄内酸素代謝とマイクログリアの活性化の関係の解明 - ラットを用いて神経障害を惹起し慢性疼痛モデルを構築してマイクログリアの活性化を確認した。神経因性疼痛関連の遺伝子発現(ATP受容体サブタイプP2X4,脳由来神経栄養因子(Brain-Derived Neurotrophic Factor, BDNF)を半定量的RTR-PCR法を用いて解析する実験系を構築した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
培養細胞を用いた研究は順調に推移している。 慢性疼痛モデルラットの作出に成功した。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究初年度の達成を受けて今後は研究申請書に記載の所期の研究目的の達成の為に研究を推進していく。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予算の執行はほぼ当初予定の通りに行われているものの一部分の研究費を次年度に繰り越した。これは研究計画の変更ではなく研究費 見積もりの誤差範囲と認識している。 本年度は合わせて研究申請書記載の所期の目的の達成に向けた適切な支出を行っていく。
|
Research Products
(7 results)