2014 Fiscal Year Annual Research Report
CRPSにおけるメタロチオネイン欠損と疼痛の関連の検討
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24592351
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
今井 伸一 札幌医科大学, 医学部, 講師 (20213209)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 複合性局所疼痛症候群 / CRPS / メタロチオネイン / 酸化ストレス / 神経障害性疼痛 |
Outline of Annual Research Achievements |
複合性局所疼痛症候群(CRPS)は骨折、組織障害や神経損傷などを契機として発症する慢性疼痛症候群であり、灼熱痛、痛覚過敏、アロディニアのような感覚障害に加えて、血管運動障害や浮腫・発汗機能障害、運動・栄養障害の症状を呈する。しかし、CRPSの病態生理にはいまだに不明な点が多く存在し、そのため抜本的な治療法もないのが現状である。そのため、我々はプロテオミクスの手法を用いてCRPS関連タンパク質の同定を試み、CRPSの患者の神経ではコントロールの神経に比べてメタロチオネインが著しく減少していることを見出した。本研究では、メタロチオネインと疼痛の関連のさらなる検討を行った。メタロチオネインは酸化ストレスを受けると、結合金属が遊離した後、分解されることが報告されている。そのため、メタロチオネインの減少が酸化ストレスによるものかを検討するために、酸化損傷DNAに対する抗体を用いてCRPS患者末梢神経及び新鮮遺体末梢神経の免疫染色を行った。しかしながら、両末梢神経における酸化損傷DNAの明らかな差は認められなかった。これまでに本研究では神経障害性疼痛モデル動物である坐骨神経部分結紮ラットを用いた実験で、疼痛行動の増加に伴い結紮部周囲でメタロチオネインが減少していくこと、モデルラットの結紮部周囲へのリコンビナントメタロチオネインの投与により疼痛行動が減少することなどを見出してきた。これらの結果より、メタロチオネインが神経障害性疼痛の発生に深く関与していることが強く推察された。
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