2013 Fiscal Year Research-status Report
疼痛制御に関与するSema3Aシグナルパスウェイの解明
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24592352
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
紙谷 義孝 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (90381491)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 直也 横浜市立大学, 医学部, 助教 (40508793)
船越 健悟 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60291572)
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Keywords | 神経因性疼痛 / 神経ガイダンス因子 / 神経成長因子 / 疼痛メカニズム / シグナルパスウェイ / NMDA受容体 |
Research Abstract |
平成25年度は、主にパクリタキセル(Ptx)投与による神経因性疼痛モデルラットを用いて、Ptx投与により脊髄及びDRGで増加したNGF、TrkA及びリン酸化TrkAが疼痛行動に関与しているかどうかを明らかにする目的で、予め腰部くも膜下腔にカテーテルを留置しておいたラットに対し、Ptxの投与と同時に受容体型チロシンリン酸化酵素阻害薬であるk252a 2μg/20μLをくも膜下カテーテルより投与し、疼痛行動の経時的変化を、機械的刺激及びアセトン噴霧による冷刺激に対する反応率によって評価した。Ptx投与ラットにおいて、k252aを脊髄くも膜下腔に投与されたラットは、4g、8g、15gの足底刺激に対する反応性が有意に弱まっていた一方、アセトンによる寒冷刺激に対する過敏性には影響を与えなかった。すなわち、Ptxによる末梢神経障害性疼痛にはTrkAの活性化が関与していることが明らかになったが、TrkAに活性化による疼痛の増強は機械的刺激に対するものに限られ、寒冷刺激に対する疼痛の増強には異なったメカニズムによっていると予想された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者の異動に伴い、主たる研究の場が変わり、新しい職場での研究のセットアップが必要になったため、実際の実験になかなか取り掛かれなかったため、当初の想定より研究の進捗が遅れている。しかし、横浜市立大学で行われた研究の一部は指導した大学院生により英文査読付き論文として発表された。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はSema3Aの神経障害性疼痛における鎮痛作用のメカニズムをNMDA受容体の発現量との関連から検討する予定である。実験設備はほぼ整ったので、想定通りに研究が進められるだろうと予想している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
端数金額が小さく、来年度に繰り越したほうが有用に使用できると考えたため。 抗体等を購入の予定。
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Research Products
(3 results)