2012 Fiscal Year Research-status Report
人工呼吸器関連肺障害に対する二酸化炭素血症の保護作用機序解明と新規治療薬の開発
Project/Area Number |
24592353
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
有馬 一 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20254295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅井 清文 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70212462)
祖父江 和哉 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90264738)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 人工呼吸器関連肺障害 |
Research Abstract |
1.当研究の動物実験計画は名古屋市立大学医学研究科動物実験委員会に申請し承認されている。 2.各種機材を購入したが、マウス用人工呼吸器のトラブルのため実験開始が12月になってしまった。 3.平成24年度の計画の「1.マウス人工呼吸器関連肺障害モデルの確立」に関しては、以前確立したモデルから、人工呼吸器の変更、麻酔薬の変更が必要であったためモデルの確立に難渋した。人工呼吸器の変更に伴い、呼吸回路内に作られる陽圧の評価に時間を必要としたことがモデルの確立に難渋した原因であると思われた。人工呼吸の条件を様々に変更し、麻酔薬の濃度を様々に変更し、安定したマウス人工呼吸器関連肺障害モデルを作成することができた。保護的人工呼吸は一回換気量7.5ml/kg、肺を損傷する人工呼吸は一回換気量15ml/kgに決定した。肺損傷は肺胞洗浄液中のBCAプロテインアッセイ法で測定されるたんぱく量とMPOアッセイ法にて測定される好中球の肺組織内浸潤を用いて評価した。また、肺組織標本での評価も同時に行った。 4.平成24年度の計画の「2.マウス人工呼吸関連肺障害モデルにおける肺胞洗浄液中のサイトカインの測定」を現在取り組んでいるところである。 5.平成24年度の計画の「3.マウス人工呼吸関連肺障害モデルにおけるJAC-STAT経路の関与の解明」は平成25年度に施行予定である。各種タンパク質の測定に必要なウエスタンブロット法、ゲルシフトアッセイ法については現在予備実験を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1.マウス用人工呼吸器のトラブルのため実験開始が12月になってしまったため。 2.人工呼吸器の変更、麻酔薬の変更が必要であったためモデルの確立に難渋したため。
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Strategy for Future Research Activity |
1.平成24年度の計画の「2.マウス人工呼吸関連肺障害モデルにおける肺胞洗浄液中のサイトカインの測定」を継続する。肺胞洗浄液中の炎症性サイトカインの測定を行う。IL-1、TNF-a、IL-6、KC、MIP-2を測定する予定である。 2.平成24年度の計画の「3.マウス人工呼吸関連肺障害モデルにおけるJAC-STAT経路の関与の解明」は平成25年度に施行予定である。摘出肺におけるJAC-STAT経路の各蛋白の量、活性は各蛋白質に対する抗体、リン酸化蛋白質に対する抗体を用いたウエスタンブロット法、転写因子に対してはゲルシフトアッセイ法を用いて測定する。 3.平成24年度以降の計画の「4.マウス人工呼吸関連肺障害モデルに対する高炭酸ガスの肺保護作用の確認」は当初の計画のように実施する予定である。上記で確立したマウス人工呼吸関連肺障害モデルを用い、高二酸化炭素血症の条件を決定し、安定した肺保護作用が得られる状態を確立する。吸入ガスは混合ガスボンベを用いて吸入ガスを調整する。保護効果については、肺胞洗浄液中の炎症性サイトカイン濃度の測定とJAC-STAT経路に関与を検討する。さらには、組織学的な検討も行う。 4.平成25年度以降の計画の「5.マウス人工呼吸関連肺障害モデルにおける各種阻害薬の肺保護効果の確認」は当初の計画のように実施する予定である。マウス人工呼吸関連肺障害モデルにおいて、抗IL-6レセプターモノクローナル抗体やJAC-STAT経路の各種阻害薬の保護効果を確認する。また、高二酸化炭素血症と薬剤との組み合わせによる、副作用に少ない方法を模索する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度はマウス用人工呼吸器のトラブルのため実験開始が12月になってしまったことと、人工呼吸器の変更、麻酔薬の変更が必要であったためモデルの確立に難渋したことにより、当初予定より研究が遅れたため、次年度使用額が当初予定より多くなってしまった。平成25年度は研究の遅れを取り戻すべく鋭意研究に取り掛かるため、マウス200匹の購入が必要である。また試薬は、麻酔薬、ウエスタンブロット試薬、組織染色試薬にかかる費用が必要である。
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