2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24592359
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
金澤 正浩 東海大学, 医学部, 准教授 (60276847)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 正信 東海大学, 医学部, 准教授 (90276791)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | セボフルラン / 鎮痛 / 脊髄 |
Outline of Annual Research Achievements |
動物を用いた実験で揮発性吸入麻酔薬セボフルランが、脊髄のオピオイド受容体の機能亢進あるいはN-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)受容体の機能減弱により、鎮痛作用を現すとの報告がある。しかし、揮発性麻酔薬の鎮痛効果は運動ニューロンを抑制するために逃避行動ができない結果であり侵害刺激に対する鎮痛効果ではない、との報告があり不明な点が多い。本研究では、運動ニューロンを抑制しない条件のもとでセボフルランの鎮痛効果、およびその作用機序を明らかにすることを当初の目的とした。 1. セボフルラン原液髄腔内投与時のCSF中セボフルラン濃度のシミュレーション実験: Wistar系雄性ラット(200-250g)の髄液量は約90-120μlである。仮にセボフルランが水系に完全に溶解しCSF量が90μlとすると、最大投与量10μlの髄腔内投与によって(10%,v/v)、CSF中のセボフルラン濃度は約800 mMとなる。セボフルラン10µLを摂氏37度人工脳脊髄液200µLに添加後1分、15分、以後15分間隔で120分まで人工脳脊髄液中のセボフルラン濃度をガスクロマトグラフィ(GC内部標準法を用いた気化平衡法)で分析した結果、約5-7mMであった。 2. 全身麻酔中(1MAC)のラットにおけるCSF中セボフルラン濃度の測定: 全身麻酔開始から30分後に環椎後頭骨間の硬膜を切開し漏出した髄液をシリンジで吸引採取しガスクロマトグラフィで測定した結果、約0.9mMであった。 3.セボフルランをバブリングした人工脳脊髄液の抗侵害作用:5%セボフルランを酸素とともに90分間摂氏37度人工脳脊髄液にバブリングし、2.6mM濃度であることをGCで測定した。本溶液10µLをラット髄腔内に投与しtail Flick法にて鎮痛効果を解析した。その結果有意に鎮痛効果が認められた。
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