2014 Fiscal Year Annual Research Report
慢性疼痛における多価不飽和脂肪酸の役割とその受容体を介した新規疼痛制御機構の解明
Project/Area Number |
24592364
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
中本 賀寿夫 神戸学院大学, 薬学部, 講師 (30432636)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳山 尚吾 神戸学院大学, 薬学部, 教授 (70225358)
糟谷 史代 神戸学院大学, 薬学部, 教授 (80131522)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | GPR40 / 疼痛 / 下行性疼痛抑制系 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究においては、下行性疼痛抑制機構における脳内 GPR40/FFA1 シグナルの関与について検討を行った。疼痛評価には、ホルマリン試験を用いた。GPR40/FFA1 アゴニストGW9508 (1 μg) はホルマリン試験の 10 分前に脳室内投与した。GPR40/FFA1 アンタゴニスト GW1100 (10 μg)、α2アドレナリン受容体拮抗薬のヨヒンビン (4 μg) およびセロトニン (5-HT) 1A受容体拮抗薬の WAY100935 (10 μg) は GW9508 投与の 10 分前に脳室内または脊髄腔内投与した。Dopamine beta hydroxylase (DBH、ノルアドレナリン作動性神経マーカー) および triptophan hydroxylase (TPH、5-HT 作動性神経マーカー) と GPR40/FFA1 または c-fos 蛋白質との共局在解析には、蛍光二重免疫染色法を用いた。ノルアドレナリン(NA)および 5-HT は LC-MS/MS にて測定した。GPR40/FFA1 は青斑核および大縫線核領域で DBH および TPH と共局在を示した。GW9508 の脳室内投与により、ホルマリン誘発疼痛行動が抑制され、この抑制はヨヒンビンやWAY100635 の脊髄腔内への前処置により抑制された。また、青斑核および大縫線核領域で c-fos 陽性タンパク質の発現増加が認められ、この増加は DBH および TPH 陽性細胞上で認められた。脊髄中の NA および 5-HT 量は GW9508 の投与によっていずれも増加した。GW1100の処置により、ホルマリン誘発疼痛行動は有意に増強した。 以上、本研究においてGPR40/FFA1 は、下行性疼痛抑制機構に関与する神経上に発現しており、これらのシグナルは疼痛制御に関与していることが示唆された。
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Research Products
(11 results)