2012 Fiscal Year Research-status Report
前立腺癌における一塩基多型の意義-55箇所の多型分析と臨床所見・予後との関連-
Project/Area Number |
24592378
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 基文 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (50401063)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真田 昌 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (20529044)
本間 之夫 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (40165626)
小川 誠司 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (60292900)
佐藤 亜以子(松原亜以子) 東京大学, 医学部附属病院, 研究員 (70512573)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 前立腺癌 / 一塩基多型 |
Research Abstract |
本研究の目的はゲノムDNA上に存在する一塩基多型をマーカーとして前立腺癌のi)発症リスク、ii)臨床病理学的特徴、iii)生命予後の個体差について解明し、前立腺癌に対する最適な治療方法を個別に計画すること、特に治療を延期するPSA監視療法が適切な症例を特定するために一塩基多型情報を応用する可能性について検討することである。 研究計画段階において保有していたDNA検体は日本人臨床前立腺癌症例518人、日本人前立腺ラテント癌症例102人、コントロール323人であったが、その後日本人臨床前立腺癌症例518人(+0)、日本人前立腺ラテント癌症例156人(+54)、コントロール447人(+123)に増加した。 予後調査は2012年11月末までに完了しており、追加されたラテント前立腺癌症例の病理学的所見の検討も2013年3月現在完了している。 一塩基多型解析については計画段階において55箇所を予定していたが、その後に海外からの論文報告によって解析対象となる一塩基多型の数が2013年3月現在79箇所に増加している。このため、MALDI-TOF MSによる一塩基多型解析方法の条件設定を見直す作業に取り掛かっている。 近年注目されている前立腺癌に特徴的な遺伝子転座にTMPRSS2-ERG fusionがある。この転座を引き起こしやすい一塩基多型としてTMPRSS2 Val160Met多型(rs12329760)があり、この一塩基多型についてはTaqMan法による解析を行い、統計解析も完了した。その結果、CC遺伝子型に比べてCT遺伝子型およびTT遺伝子型では前立腺癌発症リスクが有意に高く、オッズ比(95%信頼区間)はそれぞれ1.421 (1.031-1.92)、1.927 (1.239-3.020)であることが明らかとなった。一方、ラテント前立腺癌群においては有意差が認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
解析すべき一塩基多型の数が増加しているため、研究費に相応な解析可能と考えられる一塩基多型の組合せや個数の選定作業を行うのにやや時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
保有しているDNA検体は全て96-well plateに集積済みのため、2013年7月までにはDNA解析を開始する予定である。なお、DNA解析以外の調査については予定よりも早く完了しているため研究の遅れは挽回可能と考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
MALDI-TOF MSによる一塩基多型解析を2013年10月頃を目途に完了させ、解析不十分例についてはTaqMan法による解析を追加する。
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Research Products
(3 results)