2012 Fiscal Year Research-status Report
前立腺癌のアンドロゲン受容体に対するアンタゴニストのアゴニスト化の解明
Project/Area Number |
24592380
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
西山 勉 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (70208239)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 前立腺癌 / アンドロゲン / アンドロゲン受容体 / アンタゴニスト / アゴニスト / 共役因子 |
Research Abstract |
我々の研究などから、アンドロゲン抑制療法後に増悪した前立腺癌の研究から、血液中のアンドロゲンレベルが低値でも、アンドロゲン受容体シグナルが前立腺癌の増悪に重要な役割を演ずることが明らかになってきた。(Ishizaki F,Nishiyama T et al. Sci Rep. 2013 Mar 25;3:1528.)アンドロゲン受容体の活性を抑制する目的で、アンチアンドロゲン剤が使用される。現在使用されているアンチアンドロゲン剤のアンドロゲン受容体に対するアゴニスト化が再燃増悪に重要な問題となっているが、ほとんど解明されていなかった。本研究は前立腺癌に対するアンドロゲン抑制療法でのアンドロゲン受容体に対するアンタゴニストのアゴニスト化の作用機序を解明するために、アンタゴニストのアゴニスト化が起こった段階での共役因子の誘導補充の変化を検討し、その過剰補充された活性化共役因子を抑制することによる細胞活性の抑制を研究することである。アンドロゲン受容体に対するリガンド、アンタゴニスト、アゴニストを用い、前立腺癌培養細胞内の活性化共役因子の発現の変化を検討すること、前立腺癌培養細胞で発現が亢進している活性化共役因子を抑制し、細胞活性が抑制されることを確認すること、前立腺癌組織内でアンドロゲン抑制療法による活性化共役因子の発現の変化を検討することでアンタゴニストのアゴニスト化の作用機序を解明することである。アンタゴニストのアゴニスト化の作用機序の解明により、その作用点を標的とした新たなアンドロゲン抑制療法が可能となり、前立腺癌に対する新たな治療戦略が確立できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
我々の研究などから、アンドロゲン抑制療法後に増悪した前立腺癌の研究から、血液中のアンドロゲンレベルが低値でも、アンドロゲン受容体シグナルが前立腺癌の増悪に重要な役割を演ずることが明らかになってきた。(Ishizaki F,Nishiyama T et al. Sci Rep. 2013 Mar 25;3:1528.)アンドロゲン受容体の活性を抑制する目的で、アンチアンドロゲン剤が使用される。現在使用されているアンチアンドロゲン剤のアンドロゲン受容体に対するアゴニスト化が再燃増悪に重要な問題となっているが、ほとんど解明されていなかった。本研究は前立腺癌に対するアンドロゲン抑制療法でのアンドロゲン受容体に対するアンタゴニストのアゴニスト化の作用機序を解明するために、アンタゴニストのアゴニスト化が起こった段階での共役因子の誘導補充の変化を検討し、その過剰補充された活性化共役因子を抑制することによる細胞活性の抑制を研究することである。アンドロゲン受容体に対するリガンド、アンタゴニスト、アゴニストを用い、前立腺癌培養細胞内の活性化共役因子の発現の変化を検討すること、前立腺癌培養細胞で発現が亢進している活性化共役因子を抑制し、細胞活性が抑制されることを確認すること、前立腺癌組織内でアンドロゲン抑制療法による活性化共役因子の発現の変化を検討することでアンタゴニストのアゴニスト化の作用機序を解明することである。 現在、アンタゴニストのアゴニスト化に伴い、発現が大きく変化する共役因子を同定出来た。また発現が増加した活性化共役因子をRNA干渉で抑制することにより、アンドロゲン受容体シグナルが抑制されることを確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
1.In vitroの検討結果から、前立腺摘除術標本の前立腺癌組織中の亢進共役因子の発現を免疫組織学的に検討し、患者の臨床経過と亢進共役因子の発現を比較検討する。2.前立腺摘除術前のアンドロゲン抑制療法の有無により、検討される共役因子の発現の相違を検討する。3.組織学的検討で得られた実際のデータから、組織上でアンドロゲン抑制療法により亢進している共役因子を同定する。4.同定された共役因子を、前立腺癌培養細胞を用い、そのRNAをsiRNAを用いてノックダウンすることによるアンドロゲン受容体活性の変化を検討する。5.本研究により、少なくとも前立腺摘除術前のアンドロゲン抑制療法によるアンドロゲン受容体の活性変化と共役因子の変化を実際の人の手術標本で確認できる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上記の組織学的、細胞学的研究に対する、各種PCR用試薬にかかる費用、質量分析用費用、組織学的検索費用、国内外の学会に出席し、研究者との意見交換のための交通費等、成果を出版するための費用等に使用する計画である。
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Research Products
(5 results)