2013 Fiscal Year Research-status Report
腎細胞癌のチロシンキナーゼ阻害剤に対する耐性獲得機構の解明と新規治療法の開発
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24592389
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
三宅 秀明 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60379435)
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Keywords | 腎細胞癌 / チロシンキナーゼ阻害剤 / 耐性獲得 |
Research Abstract |
昨年度までに報告した実績に加え、当該年度においては以下の諸点を明らかにした。 ・ヒト人癌細胞株に続いて、マウス腎癌細胞株においてもsorafenib耐性株を作成し,その耐性獲得の分子機序を解明した。それによると、sorafenib耐性マウス腎癌細胞株はsorafenib暴露下でもclusterinの発現およびMAP kinaseのリン酸化亢進を維持しており、これらによるアポトーシス回避が、sorafenibに対する耐性獲得に関与している可能性が示唆された。 ・昨年度の解析で腎細胞癌のsunitinib耐性獲得にAktが重要な役割を果たしている可能性が示唆されたので、Aktに関連するシグナル伝達関連分子の分子マーカーとしての意義を、まず腎摘除術を施行した限局性腎細胞癌症例において検討した。その結果、リン酸化4E-BP1の発現と上記患者群の予後が独立した相関を有することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度とは異なる実験系で、目的とする所見の一部を明らかにし、分子マーカーの候補となりえる分子の同定にも成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の成果を踏まえ今後以下の点を検討する予定とする。 ・チロシンキナーゼ阻害剤に対する血清分子マーカーを同定する。 ・チロシンキナーゼ阻害剤と並んで頻用されるmTOR阻害剤耐性機構を解明し、チロシンキナーゼ阻害剤に対する耐性獲得との関連を解析する。 ・アンチセンスオリゴなどの技術を用いた耐性克服実験を施行する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度においても、予算執行を要する研究計画を立案しているため。 血清分子マーカーの同定等、研究実績報告書に記載した研究の実施を予定している。
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Research Products
(1 results)