2012 Fiscal Year Research-status Report
前立腺癌の骨転移におけるガレクチンー3の制御機構の解明
Project/Area Number |
24592394
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
福森 知治 徳島大学, 大学病院, 講師 (10314874)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金山 博臣 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (10214446)
高橋 正幸 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (50325255)
中逵 弘能 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 非常勤講師 (50437638)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 前立腺癌 / 骨転移 / ガレクチン-3 / 破骨細胞 / 骨芽細胞 |
Research Abstract |
1.ガレクチン-3が破骨細胞および骨芽細胞におよぼす影響の検討 われわれは、リコンビナントガレクチンー3蛋白質を作成し、破骨細胞株(MC3T3-E1)および骨芽細胞株(hFOB 1.19)にそれぞれ添加し、破骨細胞および骨芽細胞の増殖マーカーを定量し、ガレクチン-3が破骨細胞と骨芽細胞におよぼす影響を検討した。その結果、破骨細胞においてガレクチンー3蛋白質を添加することでTRAP陽性細胞が1.7倍と有意に増加し、ガレクチン-3が破骨細胞の活性化を促進させることが示唆された。 2.ガレクチンー3のsiRNAの作成と評価 ガレクチン-3の発現を抑えるsiRNAを網羅的に作成し、前立腺癌細胞株(PC-3)でのガレクチン-3の発現抑制効果と腫瘍の増殖への影響を検討した。その結果、前立腺癌細胞株(PC-3)におけるガレクチン-3の発現を約40%低下させるPC-3細胞を構築した。現在ガレクチン-3の発現抑制効果をさらに上げるsiRNAや様々な条件を検討中である。 3.前立腺癌細胞株におけるガレクチンー3の浸潤能の検討 ホルモン感受性前立腺癌細胞株(LNCaP)と、われわれが構築したガレクチン-3発現細胞株(LNCaP-Gal3)、および、ホルモン非感受性前立腺癌細胞株(PC-3)を用いて、浸潤および遊走アッセイで前立腺癌細胞の浸潤能に及ぼすガレクチン-3の影響を検討した。その結果、LNCaP細胞においてはガレクチン-3による浸潤能、遊走能への有意な影響はなく、ガレクチン-3が強発現したPC-3細胞が最も浸潤能が高かった。今後、すでに構築しているガレクチン-3の発現を抑制したPC-3細胞を用いて、マウスの骨転移の評価を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに、①ガレクチン-3が破骨細胞の活性化を促進させること、②LNCaP細胞においてはガレクチン-3による浸潤能への有意な影響はなく、ガレクチン-3が強発現したPC-3細胞が最も浸潤能が高いこと。③siRNAによるガレクチン-3の発現を抑制したPC-3細胞を構築していることから、今後、マウスの骨転移モデルを用いたガレクチン-3の骨転移に及ぼす影響を評価する準備は進んでいると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、①骨芽細胞に及ぼすガレクチン-3の影響を検討し、②ガレクチン-3を強発現しているPC-3細胞とガレクチン-3の発現を抑制したPC-3細胞を用い、骨芽細胞と共培養させ、ガレクチン-3の発現の差によるCOX2, IL-1β, IL-6, C3 などの分子の発現量の差を検討する予定である。さらに、マウスの骨転移モデルを利用し、ガレクチン-3の発現の異なるPC-3細胞をそれぞれ骨に移植し、腫瘍の増殖速度の差を小動物用CTを用いてin vivoで検討する。さらに、腫瘍細胞で、ガレクチンー3の発現の違いによる、in vivoでの他の分子の発現の変化をマイクロアレイで網羅的に解析する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ガレクチン-3の発現の差によるCOX2, IL-1β, IL-6, C3 などの分子の発現量の差をリアルタイムPCRで検討する予定である。さらにマウスの骨転移モデルを利用して腫瘍の増大の差を検討しDNA microarrayで分子の発現の差を検討する。 また研究費はこれらに必要な物品やマウスの購入に使用する予定である。
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Research Products
(7 results)