2013 Fiscal Year Research-status Report
前立腺癌の骨転移におけるガレクチンー3の制御機構の解明
Project/Area Number |
24592394
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
福森 知治 徳島大学, 大学病院, 講師 (10314874)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金山 博臣 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (10214446)
高橋 正幸 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (50325255)
中逵 弘能 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 非常勤講師 (50437638)
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Keywords | 前立腺癌 / 骨転移 / ガレクチン-3 / 破骨細胞 / 骨芽細胞 |
Research Abstract |
1、前立腺癌細胞株(LNCaPおよびPC-3)におけるガレクチンー3の浸潤能、遊走能への関与の検討 ガレクチン-3が発現していないホルモン感受性前立腺癌細胞株(LNCaP)とすでに構築したガレクチン-3強発現細胞株(LNCaP-Gal3)、および、ガレクチン-3が強発現しているホルモン非感受性前立腺癌細胞株(PC-3)とガレクチン-3の発現を90%以上ノックダウンさせたPC-3細胞株(PC-3si)を構築して、前立腺癌細胞の浸潤、遊走能に及ぼすガレクチン-3発現の影響を検討した。その結果、ガレクチン-3はLNCaP細胞、PC-3細胞ともに細胞増殖には影響しないものの、LNCaP細胞、PC-3細胞のいずれの細胞においても浸潤能、遊走能を有意に促進させることを見出した。これらの成果は第23回泌尿器科分子・細胞研究会で報告した。現在、すでに構築しているPC-3およびPC-3si細胞を用いて、マウスの骨転移の系を構築中である。 2、前立腺癌患者における血清ガレクチンー3発現の評価 前立腺癌患者における血清ガレクチン-3の発現を評価した研究は少なく、血清PSAが4.0 ng/mL以上で前立腺生検を施行した患者群で、血清ガレクチン-3濃度を前立腺癌の有無で比較検討した。その結果、前立腺癌患者では有意に血清ガレクチン-3濃度が高いことを見出した(前立腺癌患者血清 3012.93pg/mL vs 非前立腺癌患者血清 3012.93pg/mL、p=0.000329)。現在、ホルモン感受性とホルモン非感受性前立腺癌におけるガレクチン-3発現の差を検討中である。 3、ホルモン耐性とガレクチン-3の関連の評価 ガレクチン-3がホルモン非感受性株のみに強発現することから、前立腺摘出標本からアンドロゲンレセプターとの関連を免疫染色で確認したところ、アンドロゲンレセプターの発現とガレクチン-3の発現に負の相関を認めた。現在、ホルモン不応性前立腺癌の手術検体を採取し、検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度の成果も踏まえて現在までに 1、ガレクチン-3が破骨細胞の活性化を促進させること 2、LNCaP細胞およびPC-3細胞において、ガレクチン-3は浸潤能および遊走能を有意に促進させること 3、ガレクチン-3が強発現したPC-3細胞が最も浸潤能が高く、ガレクチン-3の発現を抑えたPC-3si細胞では有意に浸潤能、遊走能が抑制されること 4、PC-3細胞を大腿骨に注入することで前立腺癌骨転移を作成することを確認していることから、今後、マウスの骨転移モデルを用いてガレクチン-3の骨転移に及ぼす影響を評価する準備は進んでいると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は 1、前立腺癌細胞株LNCaP細胞およびPC-3細胞においてガレクチン-3が骨転移を促進させるかを、骨転移モデルを利用し小動物用CTを用いてin vivoで検討し 2、ガレクチン-3が破骨細胞、骨芽細胞の活性化やアポトーシスに及ぼす分子機構を検討する。さらに 3、ホルモン非感受性前立腺癌がホルモン感受性前立腺癌と比較して、血清ガレクチンー3の発現に有意差を認めるか、あるいは、ガレクチンー3の発現とアンドロゲンレセプター発現との相関を解析する予定である。その結果、ホルモン治療耐性となりやすい前立腺癌の骨転移に対するガレクチン-3をターゲットにした分子標的治療の可能性についても検討する。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Substitution of anti-androgens and tegafur-uracil combination therapy for castration-resistant prostate cancer:Result of a multi-center randomized phase II study2013
Author(s)
MASAYUKI TAKAHASHI,,RUMI KAWABATA,AKIRA KAWANO,TOSHIHIDE MURAKAMI,YASUSHI SUTOU,TOHRU INAI,SEIJI AKAZAWA,TAKUMI HAMAO,HIDEKI HAYASHI,TOKMOYA FUKAWA,MASAHIKO TAKEMURA,YASUYO YAMAMOTO,KUNIHISA YAMAGUCHI,HIROFUMI IZAKI,TOMOHARU FUKUMORI and HIROOMI KANAYAMA
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Journal Title
INTERNATIONAL JOURNAL OF ONCOLOGY
Volume: 43
Pages: 713-720
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Long-Term Outcomes of Tri-Modality Therapy with Radical Transurethral Resection of the Bladder Tumor (TUR-Bt),Intra-Arterial Chemotherapy,and Concurrent Radiotherapy for Locally Advanced Bladder Cancer2013
Author(s)
Fukumori T,Senzaki T,Fukawa T,TakemuraM,Takahashi H,Yasuyo Y,Yamaguchi K,Izaki H,Takahashi M,Kanayama H
Organizer
SIU
Place of Presentation
VANCOUVER CONVENTION CENTRE(USA)
Year and Date
20130908-20130912
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