2013 Fiscal Year Research-status Report
プロテオミクス解析およびパスウェイ解析による新規前立腺癌バイオマーカーの検討
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24592411
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
木村 高弘 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (00307430)
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Keywords | 前立腺癌 |
Research Abstract |
これまでに,前立腺癌に対する新規バイオマーカーの探索のため,低グリソンスコア,高グリソンスコア,有転移前立腺癌患者のホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)前立腺組織を用いたプロテオミクス解析を行い,前立腺癌で発現している371 種類のタンパク質を同定した。本研究では,これまでの研究で得た解析データを元にパスウェイ解析を行うことで,前立腺癌の悪性度,進行度に伴うシグナル変化を検討すると共に,その結果から,新規バイオマーカー候補を抽出し,多検体による評価を行うことで,臨床的に有用性の高い新規バイオマーカーを発見することを目的としている。 平成24年度は,今回プロテオミクス解析で同定した371 種類のタンパク質のパスウェイ解析を行い,発癌に伴い活性化するパスウェイ(正常に対し低GS, 高GS および転移群で活性化)を10経路,低分化癌(高GS)で活性化するもの(高GS および転移群で活性化)23経路,転移性癌で活性化するもの(転移群でのみ活性化)9経路,さらに低GS癌で活性化し,高GSおよび転移癌で非活性化するもの16経路を同定した。これらの経路は特に前立腺癌の発癌,進展に重要な役割を果たすパスウェイと考えられた。 平成25年度以降はさらにこの経路の中から新規バイオマーカーの同定を進めた。新規バイオマーカー候補49分子を同定した。その中から,特に癌と非癌部での発現差が大きいMCCC2およびFASNに関して,前立腺癌全摘標本76例を対象として,免疫組織化学法にて発現解析を行った。結果,MCCC2の発現は76例の前立腺癌組織中62例で認められ,臨床検体においても前立腺癌で有意に発現が亢進していることが確認された(P<0.0001)。 平成26年度はさらに癌のステージ,グレードとの関連を調べると共に,他の分子についても解析を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は候補蛋白の臨床検体を用いた免疫組織染色が行われ,有意な発現変化を確認できた。この結果は当初の予定と比べおおむね順調なものである。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,本年有意な結果を得たMCCC2に関して,さらに前立腺癌のステージ,グレードとの関連性を検討すると共に,他の候補蛋白に関しても,さらに検討を進める。 また,当初計画に沿って,血清マーカーとしての有用性も検討する。当科では前立腺針生検施行患者の血清を採取し保存している。前立腺癌患者および前立腺針生検で陰性であった患者血清中におけるタンパク濃度をELISA法により測定することで,新規バイオマーカー候補タンパク質の血清マーカーとしての有用性を検討する。 候補蛋白の中には抗体が市販されていないものも含まれるため,その蛋白に関しては,抗体作成またはin situ hybridyzationなどの方法も検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
新規マーカー候補蛋白の免疫染色による解析の一部が,当初計画より遅れたため,抗体購入費用等で費用を次年度使用額が生じた。 次年度の計画に追加して,新規マーカー候補蛋白の免疫染色による解析追加をを予定している。
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