2013 Fiscal Year Research-status Report
前立腺癌に対する癌ワクチン療法に応用しうるペプチドの同定
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24592416
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
南 高文 近畿大学, 医学部, 講師 (70340809)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植村 天受 近畿大学, 医学部, 教授 (90213397)
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Keywords | 前立腺癌 |
Research Abstract |
近年、多くの腫瘍抗原がcytotoxic T lymphocytes(CTLs)を誘導することが確認されており、その腫瘍抗原のペプチドを利用した癌ペプチドワクチン療法の有効性が報告されている。現在、癌ワクチン療法の適応はHLA-A2,-A24陽性患者のみで臨床に応用できるHLA-A3 supertype alleles拘束性の癌ペプチドは無いのが現状である。この状況を打開するためにHLA-A3 super type拘束性のペプチド同定を目的とした。本研究に対し同意を得た前立腺癌患者より末梢血30ccを採取し、Ficoll-Conray液による末梢血単核球細胞を遠心分離とフローサイトメトリーにて同定したHLA-A3 supertype allelesのうちHLA‐A11,-A31,-A33陽性のものを対象とした。3種類の前立腺癌関連抗原(PTH-rP,EGFR,EZH2)のクラスI拘束性ペプチドを1抗原3~5種類合成した。次にHLA-A1101,-A3101,-A3303強発現LNCaPトランスフェクタントを樹立した。HLAタイピング及びPBMCの採取を施行しHLA-A3 supertype alleles陽性例であった12例に対し各ペプチドにてPBMCを刺激しC1R-A11,-A31,-A33をtargetとしCTLassayを施行したところEZHペプチドの1種に対し12例中7例にてペプチド特異的CTLの誘導を確認した。次にCTLの誘導を認めたEZHペプチドにて刺激されたCD8+CTLsにて6時間51Cr release assayでLNCaP,LNCaP-A11,-A31,-A33に対してのcytotoxicityを確認した。HLA-A11,-A31,-A33陽性患者各2例にてHLA-A3拘束性ペプチド特異的cytotoxicityを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3種類の前立腺癌関連抗原(PTH-rP,EGFR,EZH2)のクラスI拘束性ペプチドにてPBMCを刺激しC1R-A11,-A31,-A33をtargetとしCTLassayを施行したところ最もペプチド特異的CTLの誘導を確認できたEZHペプチドの1種に対し同ペプチドにてpulseされたCD8+CTLsにて6時間51Cr release assayを施行。HLA-A11,-A31,-A33陽性患者各2例にてHLA-A3拘束性ペプチド特異的cytotoxicityを確認できた。またペプチド刺激されたCTLsの特異性をcold inhibition assayにて確認した。具体的には51Cr-labeled target cells(2×103/well)を2×104effector cellと2×104cold target cellと共に培養しcold target cellとしてHIVまたはペプチドを刺激したC1R-A11,C1R-A31,C1R-A33を使用した。HLA-A11,-A31,-A33陽性患者各2例にてにてEZHペプチドを刺激したcold target cellにより51Cr-labeled target cellへのcytotoxicityが抑制されペプチド刺激されたCTLsの特異性を確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後EZHペプチドの対し6時間51Cr release assay にてHLA-A31患者1例及びHLA-A33患者2例のペプチド特異的cytotoxicityを確認する。またcold inhibition assayにてHLA-A33患者2例のCTLsのペプチド特異性を確認する。さらにEZHペプチド同様残る2種類の前立腺癌関連抗原(PTH-rP,EGFR)においても同実験系にてペプチド同定を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
直接経費の中で旅費を400,000円計上していた。当初は各ペプチド毎に中間報告という形で研究発表を行う予定であったが研究はまだ半ばである為発表の機会がなく、学会発表の為の旅費を計上していたがそれを果たすことができなかった、学会参加及び他施設への技術研修の為にも旅費を計上していたが日常の臨床業務、研究業務に時間を労費しこれも機会がなかった。 今回の経費の中で95%purityのペプチド合成は非常に高価で(5mgで5万円前後)。今後のスクリーニングするCTLアッセイ、51Cr release assay、cold inhibition assayの回数にも依存するが一次スクリーニングで10~15種類の各ペプチド最低5mgずつ必要となる。第2次スクリーニングにて10~20mg必要と思われる。その為、今回の差額に費やし、最終的に研究結果の発表を行う為の経費にも費やす予定である。
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