2012 Fiscal Year Research-status Report
前立腺癌における神経ペプチドMANSERINの機能解析
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24592419
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | 愛知県がんセンター(研究所) |
Principal Investigator |
曽我 倫久人 愛知県がんセンター(研究所), 発がん制御研究部, 研究員 (60332714)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成田 正明 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80302404)
杉村 芳樹 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90179151)
石井 健一朗 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90397513)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 前立腺がん / 神経内分泌化 / Manserin |
Research Abstract |
平成24年度は、前立腺がんにおけるManserinの作用を明らかにするために、in vitroの実験を中心に行った。前立腺がんの細胞株として、LNCaP (アンドロゲン感受性株)、E9、F10 (LNCaPから分離したアンドロゲン低感受性株)、AIDL(LNCaPから分離したアンドロゲン非感受性株)を使用した。Proliferation assayにより細胞増殖の評価を行い、Manserinを含む種々の蛋白質発現は、western blottingもしくはELISAにて評価した。Manserinは、LNCaPにて強発現していることを確認した。また、その発現量は細胞株により相違があり、LNCaP(親株)と比較して E9では同等、AIDL、F10では低かった。また、LNCaP、F10にManserinを付加したところ、LNCaPの細胞増殖は抑制され、F10の細胞増殖が促進された。培養液中のPSA量 (prostate specific antigen)及び、細胞内PSAの発現量は、LNCaPにて低下した。またLNCaPにおいて、Manserinが、NSE (neuron specific enolase)及び、VEGF(vascular endothelial growth factor)の発現量を増加した。F10においては、明らかな変動は存在しなかった。 以上の結果より、Manserinの発現量は、前立腺がん細胞株により相違が存在することが明らかになった。また、Manserin はLNCaPにおいてPSAを低下させ、NSE、VEGFを増加させることにより、アンドロゲン感受性前立腺がんを神経内分泌様分化誘導させる可能性が示唆された。上記の内容を、平成25年度の癌学会で公表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前立腺がんにおけるManserinの作用として、Manserin高発現株においては、神経内分泌様分化誘導を促している可能性が示唆された。また、Manserin低発現株においては、細胞増殖を誘発している可能性があり、細胞によりその作用に差異が存在することが明らかになった。上記内容は、Manserinの作用は一律に細胞増殖を誘発するとした当初予想していた作用とは相違が存在するが、明確な作用の発現が確認できていることより、進行状況はおおむね良好と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後明らかにする、Manserinに関するテーマの具体的な内容の一つ目としては、Manserin高発現株における、神経内分泌様分化誘導に関わる細胞内シグナルの同定である。現在のところManserinを10ng/mlで使用しているが、今のところ適切な濃度設定に至っていない。そのため、より低濃度での作用を確認し、まずManserinの適正濃度を確立する。その後、再度、神経内分泌様分化誘導の指標としてNSE、VEGFの発現刺激や、アンドロゲン受容体を介するPSAの抑制に関わる細胞内シグナルの同定を行う。 具体的な内容の二つ目としては、Manserin低発現株において細胞増殖を誘発する細胞内シグナルの確認である。同様に、Manserinの適正濃度を設定後、Manserin付加時の細胞内シグナルの変動を確認する。現在の所、Akt-PI-3kinase, MAP kinase(Erk)のシグナルは関与していないことが確認されているので、他の細胞内シグナルの変化を検証する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
引き続きin vitroの研究を推進するために研究費を使用する予定である。 in vitroの研究を推進するにあたり、細胞培養に伴う消耗品(シャーレ、培養液、血清など)、生成されたManserin、western blotting、ELISAを中心とした評価器具、抗体、細胞内シグナルの拮抗薬を準備する必要がある。それら消耗品を準備するために、本年度の科研費を使用する。
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Research Products
(1 results)