2013 Fiscal Year Research-status Report
間質性膀胱炎の病態解明と脂肪幹細胞による治療の試み
Project/Area Number |
24592422
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
新美 文彩 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (00376451)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野宮 明 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (30372379)
井川 靖彦 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (40159588)
本間 之夫 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (40165626)
西松 寛明 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (60251295)
鈴木 越 聖マリアンナ医科大学, 医学研究科, 講師 (40313134)
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Keywords | 間質性膀胱炎 |
Research Abstract |
平成24年度は間質性膀胱炎のモデル動物の作製およびヒトの組織所見との一致性があるかどうかの評価を行っていた。プロタミンによるGAG layer破壊および膀胱動脈焼灼による虚血マウスモデルおよびラットモデルの作製を試みたが、致死率が高く、同モデルは間質性膀胱炎のモデルとしては不適応との結論に達した。ヒトでは膀胱粘膜に潰瘍を生じさせ、膀胱炎症状を起こすケタミンの用いた膀胱注入によるモデルも、ヒトでのケタミン膀胱炎の様な症状や病理所見を呈さず、同様に不適応と判断された。既存のシクロフォスファミド(CYP)モデルや塩酸モデルは急性炎症としての膀胱炎は惹起されたが、長期的な効果はなく、慢性膀胱炎である間質性膀胱炎と同様の病態は示さなかった。平成24年度には慢性膀胱炎モデルラットを確立し、それを用いて翌年の平成25年度に機能評価や薬剤投与を行う予定であったが、モデルラットの作製に難渋した。 平成25年度よりラットの膀胱内に大腸菌由来のLPSを投与し、膀胱炎を惹起することで間質性膀胱炎様の炎症がラットの膀胱で起きるかどうかを検証している。 現在プロタミンとLPSの併用により機能検査および病理検査上は良好な結果が得られており、薬剤投与後17日目にラットの排尿回数を確認すると頻尿が形成され、病理所見上も炎症細胞浸潤が認められている。本結果を元に、シストメトリーによる膀胱機能評価や分子生物学的な評価を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定では、間質性膀胱炎モデル動物を作成後に、その動物を対象として 治療目的の脂肪幹細胞を注入し、膀胱の炎症が抑制されるかどうかを検証する予定であったが、現在モデル動物の作製に難渋しており、治療法の評価まで至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
脂肪幹細胞の注入による治療については、同幹細胞を用いたEDモデルラットの勃起機能改善について共同研究者である西松らが既に報告している。 現在作製している、モデルラットの進捗が芳しくない場合は、既存の急性炎症モデルラットを用いて、脂肪幹細胞注入による効果が得られるかどうかを評価することも検討している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
分担研究者の鈴木越が今年度分配した750,000円を来年度の使用分として繰り越したため。 平成25年分より繰り越された額は翌平成26年度に繰り越し、試薬や消耗品として使用予定である。
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Research Products
(4 results)