2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24592431
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
齊藤 源顕 鳥取大学, 医学部, 准教授 (60273893)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 ゆか子 鳥取大学, 医学部, 助教 (50032214)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 膀胱血流 / SHR / 排尿筋過活動 |
Research Abstract |
対照であるWistarラットに比べると、SHRの膀胱組織において血流量の低下が低下しており、膀胱組織中の神経成長因子 (NGF) 濃度の上昇、1日排尿回数の増加と1回排尿量の低下が確認できた。12週齢のSHRにKATPチャンネル開口薬であるニコランジル、αブロッカーであるシロドシンおよびRhoキナーゼ阻害薬である塩酸ファスジル3剤の6週間に渡る薬物治療を施行した。ニコランジル、シロドシン及び塩酸ファスジルはSHRの血圧を低下することなく、低下していた膀胱組織中の血流量を増加させた。それに伴い、ニコランジル、シロドシン及び塩酸ファスジルは、膀胱組織中の上昇したNGF 濃度を低下させ、また増加した一日排尿回数を減少させ、低下した一回排尿量を増加させる事が確認できた。以上の結果からSHRにおける頻尿の改善は、全身血圧よりも膀胱血流量の改善によることが示唆された。次に以下の予備実験を行った。12週齢のSHRにアンギオテンシンII受容体拮抗薬であるオルメサルタンおよびカルシウム拮抗薬であるニフェジピンの6週間にわたる薬物治療を行った。オルメサルタンおよびニフェジピンは共にSHRの全身血圧を低下させた。しかし、オルメサルタンは低下していた膀胱組織中の血流量を増加させたが、ニフェジピンにはこの作用は確認できなかった。オルメサルタンでは膀胱組織中の上昇したNGF 濃度を低下させ、また増加した一日排尿回数を減少させ、低下した一回排尿量を増加させる事が確認できたが、ニフェジピンではこの作用は確認できなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請した実験器具および実験手技は、概ね期待していたとおり行うことが出来た。研究実績の概要で示したとおり、血圧低下作用の少ないニコランジル、シロドシン及び塩酸ファスジルも血圧低下作用のあるオルメサルタンでも膀胱血流の改善と排尿パラメータの改善が確認できた。一方、ニフェジピンは血圧低下作用を認めたが、膀胱血流の改善と排尿パラメータの改善が確認できなかった。1年目の研究は概ね達成できたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度の研究で、排尿筋過活動は血圧の改善よりは血流の改善に依存していることが確認できた。平成25年度では、その分子メカニズムの解明を行いたいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度での研究成果を国内および国外での学会発表、および誌上発表行う。さらに、24年度の解明した「排尿筋過活動は血圧の改善よりは血流の改善に依存」の分子メカニズムを解明する上で、主にラット、検査試薬および検査キットなどの消耗品購入費に充てる予定である。これらの実験は鳥取大学および高知大学で十分に対応できるものである
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Research Products
(3 results)