2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24592439
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
堀江 重郎 帝京大学, 医学部, 教授 (40190243)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 奇形学 / 多発性嚢胞腎 |
Research Abstract |
難病である多発性嚢胞腎は、両側腎臓に多数の嚢胞が進行性に発生・増大し,腎臓以外の種々の臓器にも障害が生じる最も頻度の高い遺伝性嚢胞性腎疾患である。通常は遺伝性疾患であり、常染色体優性遺伝と常染色体劣性遺伝とによるものがある。嚢胞発生のメカニズムとして、腎尿細管の細胞接着の異常が嚢胞形成の初期病態として重要であると考えられている。細胞細胞間のコミュニケーションに関与する、細胞が産出する微小小胞 (microvesicle) のプロフィールを正常マウス腎と、疾患遺伝子PKD1欠損マウス腎で比較し、microvesicleが腎尿細管細胞に及ぼす作用を検討することを本研究の目的としている。さらに治療薬によるmicrovesicleの機能と内容の変化を解析することにより、多発性嚢胞腎の創薬につながる新規標的分子を探索する。 多発性嚢胞腎において高血圧は末期腎不全にいたる危険因子と考えられており、降圧療法が重要な治療である。Pkd1コンディショナルノックアウトマウスに対してARB、CCB、DRIを投与し、それぞれの薬剤の血圧、腎嚢胞、腎機能、肝嚢胞に対する効果を比較する。肝嚢胞に対しては降圧剤によって差を認めなかったが、腎嚢胞はDRIのみがコントロールと比べて有意に縮小し、腎機能もDRIのみが有意に改善した。したがってレニン阻害薬(DRI)が腎嚢胞抑制効果を有すると考えられ、レニン―アンギオテンシン系とmicrovesicle1との関与についても検討していく。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
正常マウス、PKD1遺伝子欠損マウス腎からmicrovesicleの抽出が概ね可能である。再現性も認められた。 液体クロマトグラフィー/質量分析法(LC/MS: Liquid Chromatography / Mass Spectrometry)を確立し微量の検体から、MS/MSスペクトルによるペプチドの同定と定量化を行っている
|
Strategy for Future Research Activity |
LC/MSの確立と、MS/MSスペクトルによるペプチドの同定と定量化は未だ不十分であり、今後も引き続き行う。正常マウス腎およびPKD1遺伝子欠損(PKD KO)マウス腎からのmicrovesicleの抽出し、正常マウス腎尿細管培養細胞に加える。腎尿細管細胞の形態と細胞接着因子の発現、遺伝子発現をマイクロアレイにより網羅的に検討する。さらに正常マウス腎から樹立した繊維芽細胞にmicrovesicleを加え、培養上清中の炎症性サイトカイン、MCP-1, IL-6などを測定する。 多発性嚢胞腎動物モデルでのバゾプレシン阻害薬およびピオグリタゾン投与による腎microvesicleの変化を検討する。 1.バゾプレシンV2受容体阻害薬は、動物モデルで腎嚢胞を縮小する。[1]またチアゾリン系薬剤ピオグリタゾンもPKD KOマウスで腎嚢胞を縮小する。 2.PKD1遺伝子欠損マウスの薬物治療前後で腎のmicrovesicleを抽出し、蛋白発現プロフィールを検討する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
直接経費として物品費1,100,000、また平成24年度からの繰越額1,084,234と合わせた2,184,234を申請する。今年度はLC/MSの確立と、MS/MSスペクトルによるペプチドの同定と定量化が未だ不十分であったため未使用額が発生した。今後にくりこし引き続き行う。
|
Research Products
(12 results)
-
-
[Journal Article] Maintenance therapy with intravesical bacillus Calmette-Guerin in patients with intermediate- or high-risk non-muscle-invasive bladder cancer.2013
Author(s)
Muto S, Nakajima A, Horiuchi A, Inoue M, China T, Saito K, Isotani S, Hisasue S, Yamaguchi R, Ide H, Horie S.
-
Journal Title
Jpn J Clin Oncol
Volume: 43
Pages: 305-313
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-