2013 Fiscal Year Research-status Report
男性不妊症における精巣 small RNA 制御機構に関する研究
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24592443
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
前田 雄司 金沢大学, 大学病院, 助教 (20377394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 和宏 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (70621837)
高 榮哲 金沢大学, 医学系, 准教授 (90283134)
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Keywords | 精子形成 |
Research Abstract |
ヒト精子形成過程においては様々な手段で遺伝子発現制御が行われている.近年,small RNAを介した発現調節機構が精子形成に重要な役割を果たしていることが判明してきた.その中で中心的役割を果たしているタンパク質の一つがPIWILファミリーである.我々はヒト精巣におけるPIWILファミリーの発現パターンを解明してきた.今回さらに,PIWILと相互作用するsmall RNAを正常ヒト精巣および不妊症患者精巣を用いて網羅的に解析することにより,精子形成におけるsmall RNAを介した調節機構のさらなる解明および男性不妊症の新たな治療戦略を探求することが,本研究の目的である. 我々は,ヒトのSCO (Sertoli cell only syndrome) および正常精巣組織(閉塞性無精子症患者の精巣で組織学的に正常)を用いてPIWILサブファミリー発現の特徴について既に検討した.ヒトのPIWIL1,2,3,4の発現パターンを組織免疫法で確認すると,マウスMIWIとは発現パターンが異なっており,調節機能の分担や配置がヒトとマウスで同じでないことが推測された.精子形成細胞が認められないSCO患者の精巣には,PIWILの発現を認めなかったことより,PIWILが精子形成細胞特異的な遺伝子であることが確認された.ヒト正常精巣でのPIWIL発現は精子形成初期の精子形成細胞細胞質中に優位な発現を認め,精子形成の初期段階でRNA制御の機能を発揮していることが予想された.これらの結果を踏まえ,今後の研究を精巣組織で作用するsmall RNAにシフトさせ,どのような種類のsmall RNAなのかを検討していく.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
①登録症例の検体採取,検体プロセッシング(核酸抽出,組織整理),登録データベース作成;おおむね達成 ②ピロシーケンス法・データベース相同検索によるハイスループット解析;得られるデータが不安定,技術的基礎から再検討 ③取得した精巣由来small RNAの分布図を,正常精巣およびSCO患者精巣で比較し,相違あるクラスターを個別に解析し,その特徴から疾患パラメータ(臨床データ)との相関などを検討;未達成 本研究に取り組む研究チームの解体などにより,当初予定の研究遂行見込みに大きな影響を与えている.現在までに得られた検体などを有効利用するための準備が必要.
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Strategy for Future Research Activity |
①登録症例の検体採取,検体プロセッシング(核酸抽出,組織整理),登録データベース作成. ②平成25年度に予定していた、ピロシーケンス法・データベース相同検索によるハイスループット解析にかかる費用について、次年度 に繰り越しとし、再検討する必要がある. ③additional dataを海外国際学会にて発表. ④研究成果を関連分野の国際雑誌に投稿
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H25年度に予定していた、ピロシーケンス法・データベース相同検索によるハイスループット解析について、良い結果が得られなかったため、その実験費用に残額が生じた。 上記の解析を引き続き継続するため、再検討する費用にあてることとする他、試薬類を購入する。
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